204.Gメン75 監督の変遷

1.監督毎の作品数の変遷
75年度 76年度 77年度 78年度 79年度 80年度 81年度 合 計 Gメン82
鷹森立一 18 17 21 11 16 14 97
山口和彦 3 3 6 10 14 14 11 61
山内 柏 4 13 11 12 10 5 7 62 2
小西道雄 13 3 4 2 2 6 30 2
小松範任 3 7 6 9 11 36 3
堀 長文 2 2 6 3 13
佐藤純弥 2 8 1 2 13 1
瀬川昌治 1 6 1 3 11 2
野田幸男 5 5
佐藤 肇 4 4
深作欣二 2 1 3
村上新治 1 1
竹本弘一 2 2
高須準之助 1 3 4
内藤 誠 4 1 5
長石多可男 3 3 3
下村和夫 5 5 4
  合 計 52 52 52 48 48 54 49 355 17
各期の作品数 第1期 第2期 第3期 第3期 第4期 第6期 第7期
33 52 52 48 22 54 24
第2期 第5期 第8期
19 26 25

             (注1)80年度だけ色が違うのは、このHPのテーマ年度だからです。
             (注2)各年度の作品数が同一でないのは、メンバー交代の期間に対応させているため。

2.監督の変遷

Gメン75を支えた中核とも言うべき監督は、上表の通り「鷹森・山口・山内」3人の監督。
この3人だけで220本も作られ、全体の62%
を作られている。

初年度の監督起用は、試行錯誤もあったためか、以後登場しない監督も数人いる。
また山口和彦・山内柏の両監督も、初年度は少なかった。

 1)鷹森立一監督

クオリティの高さは抜群でGメン75の世界観を確立し、数々の名作を世に送り出したメインの監督である。
作品には、1話 エアポート捜査線、 13話 バスストップ、 33話 関屋警部補・殉職、 59話 沖縄3部作、 213話 ニューカレドニア2部作、 129話 警察犬と女刑事、 261話 初夏の夜 女の部屋に忍ぶコソ泥、 272話 東京−神戸電話殺人、 257話 大暴走!囚人護送車 263話 痴漢のアリバイ、 267話 Gメン対世界最強の香港カラテ2部作、 282話 肉体のない女が呼んでいる 等がある。

しかし80年度までは、年間平均16本を作ってきたが、最後の81年度は1本も作られていない。
理由は、81年度は人情ものが多く・ひねりの無い作品が多いからと、自分の意志で作らなくなったと言われている。誠に残念なことである。

なお鷹森立一監督は、従来は映画監督として毎年映画を作られていたが、75〜80年までの6年間は1本も作られておらず、Gメン75の製作に集中されている。

 2)山口和彦監督

自分の師匠格だという鷹森監督とともにGメン75で傑作を作り続け、特にハードアクション作品に冴えを見せている。
作品には、127話 野球場ナイター殺人事件2部作、222話 バスジャック2部作、253話 吹雪登場編2部作、227話 香港人喰い虎2部作、266話 殺人暴走オートバイ集団!三途の河、300話 盗まれた女たち2部作 等がある。

山口監督は、最後の81年度も作品を作られている。
しかしGメン82には、鷹森監督だけでなく、山口監督の姿も見られなくなってしまった。

 3)山内柏監督

上記の2人に比べるとクオリティの高さでは落ちるが上手い監督だと思う。Gメン75の世界観の一端を担っていた監督。
作品には、80話 暗闇の密室殺人、125話 ウソ発見器、136話 Xマスイブ21時のトリック、226話 電話魔、231話 危機一発!車椅子の女刑事、258話 大空港の逃亡者、269話 少年とギャングの自転車レース 等がある。

最後の81年度にも7本監督し、さらに「Gメン82」にも上記3人の中で唯1人監督として、2本の作品を作られている。


 4)80年度の他年度との監督の違い

堀 長文
   80年度の作品数だけが、6作品と多い。
   Gメンの他の監督とは違うタッチで描かれていて、かつ見ごたえのある作品になっている。
   作品には、278話 エマニエル連続殺人事件、 283話 オホーツク海の幽霊船、 295話 午前6時の通り魔
   などの傑作を作られている。

   80年度以外では、221話 海抜3170米の空中ブランコ、 349話 カムバック・サーモン殺人事件
   などの優れた作品がある。

小松範任
   黒谷町シリーズを全て作った監督で、その為に80年度に作品数が増えている。
    (黒谷町シリーズの作品数 80年 7本、 81年 3本、 Gメン82 1本 合計11本)


 5)作品の良し悪し

このページで監督について書いているが、作品の良し悪しは監督だけで決まるのではなく、脚本が優れていなくては、監督がいくら優秀で頑張っても良い作品は作れない。
Gメン75に素晴らしい作品が多いのは、これら監督だけの功績ではなく、素晴らしい脚本家の努力の賜物でもある。
とはいえ、監督の変遷は興味あることなので一覧にしてみた。

さらに鷹森立一監督が去った81年度も、見ごたえのある作品が多く決して劣るものではない。
327話 マイホーム親と子の殺し合い事件 や、347話 生き返った5年前の死体 などの傑作もあり、その他にも面白く見ごたえのある作品が数多いことを付け加えたい。


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