206.Gメン22名 主役数の変遷  .


1.主役作品数の変遷  .
メンバー キャスト 75年 76年 77年 78年 79年 80年 81年 Gメン82 合 計
黒木警視正 丹波哲郎 1 2 2 1 2 9 9
関屋警部補 原田大二郎 13 13 13
草野刑事 倉田保昭 8 10 8 10 36 36
津坂刑事 岡本富士太 5 11 16 16
響圭子刑事 藤田美保子 13 15 28 28
山田刑事 藤木悠 7 5 3 6 21 21
小田切警視 夏木陽介 5 13 5 5 2 30 30
立花警部 若林豪 18 12 15 13 14 72 3 75
中屋警部補 伊吹剛 8 5 4 3 20 20
速水涼子刑事 森マリア 10 9 2 21 21
津川蛍子警部補 夏木マリ 13 2 15 15
村井刑事 有希俊彦 0 0 0
田口刑事 千葉裕 9 8 4 21 21
南雲警視 川津祐介 4 7 11 11
島谷刑事 宮内洋 4 4 8 8
吹雪杏子刑事 中島はるみ 23 23 23
草鹿刑事 鹿賀丈史 9 9 9
賀川陽子刑事 范文雀 11 11 1 12
マリコ・寺岡刑事 セーラ・ローウェル 2 2 2
津村冴子警部補 江波杏子 9 9 4 13
古田刑事 谷村昌彦 3 3 3
風間刑事 藤川清彦 1 1 1
  <Gメン82>
早坂警部補 篠田三郎 4 4
沢田刑事 清水健太郎 3 3
島刑事 三浦浩一 3 3
  作品数 52 52 52 48 48 54 49 355 17 372
各期の作品数 第1期 第2期 第3期 第3期 第4期 第6期 第7期
33 52 52 48 22 54 24 17
第2期 第5期 第8期
19 26 25

(注1)80年度だけ色が違うのは、このHPのテーマ年度だからです。
(注2)各年度の作品数が違うのは、メンバー交代の期間に対応させているため。
(注3)主役数カウントの前提条件 (以下の為、合計は作品数と違っている)
      1) 主要な活躍をするメンバーがいれば、"2人主役" の場合も両者にカウントする。
         (1) これは、両者ともに1人主役と同等の活躍をしているケースが多いため。(例外はあるが)
         (2) 205.脚本家のページでは、0.5ずつカウントしているが、主役か否かにおいては端数はないと考える。
         (3) 3人主役の場合も、主要な活躍をしていれば、3人ともに1回をカウント。
      2) 全員活躍の場合は、誰にも主役カウントはしない。
      3) 主要な活躍をしていなければ、誰にもカウントしない。
         例) 「エクソシスト殺人事件」 は3人主役だが、ゲストがメインのために誰にもカウントせず。
      4) 1人主役であっても出番が少なく、実質はゲストが主役の場合はカウントしない。
         例)「危機一髪!お年玉爆弾カメラ」 は、ゲストがメインの為に誰もカウントせず。
            「奇妙な男と女のギャング」 は中屋刑事の主役ではあるが、ゲストがメインの為にカウントせず。
            「囚人護送」 はゲストの印象が強いが、島谷刑事を微妙だがカウントした。
            「香港カラテ対北京原人Part2」 はゲストが圧倒的だが、立花警部を微妙だがカウントした。
(注4)上表で、響圭子刑事のキャストは、藤田美保子と表示しているが、現在は藤田三保子に改名されている。


2.はじめに

2011年1月21日 主役作品数リストがやっと完成した。
この集計表は、2007〜2010年まで、約4年をかけて全話を見直した時に、それぞれの作品のメンバー毎の比率と
主役度を集計したものである。
このカウントは、上記の注意事項に書いたように、前提条件を整理して集計したものであるが、どうしても主観的な要素が残るため、数値は人によって差異があると思われるので、その点はご了承願いたい。

この22名のメンバーの変遷を見ても、Gメンを盛り上げようとした、スタッフ・俳優たちの熱意と工夫が感じられる。
そしてGメン75が7年間も続き、21世紀になった今も語り継がれる名作ドラマになったのも、主役であろうとなかろうと、選ばれたメンバーたちの頑張りがあったからである。 彼らの当時の熱い息吹が、今も肌に感じられると思うのは私だけではないと思う。

以下に、このリストから感じた事を書いてみたい。
なお、全メンバーの画像については、 「132.吹雪への変更と、Gメンの紹介テロップ」 のページを参照して下さい。


3.主役作品数の変遷

75〜76年度

主役作品の推移を作成して気づいた事は、当初は、関屋警部補を主体にするドラマだったようだ。
何しろ一時欠場までの22話での主役率は50%であり、欠場後の降板までの33話でも39%と非常に高い。
しかし、メンバーには草野刑事・響刑事という人気メンバーもいるので、これはもったいなかったと思う。

ところが、関屋警部補役の原田大二郎さんが急遽降板し、34話から104話の1年4ヶ月も6人体制となった為に、
全メンバーに主役作品が割り振られて、他のメンバーの主役数が増加する事になる。 "津坂刑事" や "小田切警視"などの増加は、特に顕著である。
その為に、「6人体制」 時の初年度後半と2年目は、他年度と単純には比較できないが、参考にはなると思う。

全 般

この全メンバーに主役を割り振っていく方針は、最終年度まで続いていくが、これは新加入のメンバーでも、主役を
やれるという方式である。 例えば、津川警部補の夏木マリさんが、他のドラマのオファーを断ってGメンに決めた
というが、その理由は 「Gメン75ならサブではなく、ドラマの主役が出来るから」 とインタビューに答えておられるが、俳優にとっても魅力的だったようだ。
  −−その甲斐あって、夏木マリさんは津川警部補として13話で主役をつとめた。(80年の2話を入れると15話)

とはいえ、全メンバーに均等に主役が割り当てられるわけではなく、メンバー毎には多い少ないという差がある。
これは人気の点から、視聴率を意識せざるを得ないからで仕方がない。 例えば、"草野刑事、立花警部、吹雪刑事"
の3人には、主役作品が多いというイメージがあるが、その傾向は、この集計表の数値にも現れている。

また、レギュラーではあるが実はGメンではない、"小田切警視"や、"南雲警視"、"津村警部補" を主役とする活躍は計51話もあり、Gメンを少し外からの視点で見るという新鮮さが有り、Gメン75というドラマに厚みを持たせたと思う。

77〜78年度

立花警部補・中屋刑事・速水刑事の3人が加入し、Gメン75人気が高まり黄金期の77年度を迎えた。
この年は立花警部(加入時は警部補)が18話で主役を演じ、その強烈な個性は当初から発揮されている。
中屋警部補(加入時は刑事)も、若手としての扱いで、血の気が多い溌剌とした活躍を見せ、アクションでは柔道技を得意とし、計20話で主役を演じた。

速水刑事は女刑事としては唯一人、未熟さがある女刑事というキャラクターが設定され(研修扱いのマリコ寺岡刑事は除く)
ミスをしながらも、その成長が描かれるという新鮮さが前面に出された。 速水刑事の主役数は、響刑事に比べると少し減ったが、草野刑事とともに立花警部に次ぐ活躍をしており、計19話で主役を演じた。
                                    (番外編の、「帰って来た女刑事シリーズ」 を含むと21話)

79年度

草野刑事の降板などもあり、津川警部補に歌手の夏木マリ、村井刑事にモデル出身の有希俊彦、田口刑事に若手の千葉裕と良く考えられたメンバーの加入だったと思うが、これまでの人気に陰りが現れた年となり、メンバーを途中で入れ替えたり、ラストに流れる主題歌も約10回も曲や歌手を変えるなど、苦闘が続いた年だった。

津川警部補には初めてベテラン女刑事という設定がなされた。そのキャラクターは上手く活用出来なかったと思うが夏木マリさん自身の個性は上手く活かされて13話で主役を演じた。 (番外編の 「帰って・・・シリーズ」 を含むと15話)

田口刑事は、初年度のこの年は猪突猛進のような若い刑事を熱っぽく演じ、計21話の主役を演じて後期を支えた主要メンバーである。

80年度

新加入は吹雪刑事の一人だけだが、初めて実戦能力が高い女刑事という設定がなされた。彼女がGメン屈指の人気を獲得したことにより、多くの作品で主役をつとめ、その主役率は43%と高く、この年度の盛り上がりに大きく貢献した。

この年は途中でのメンバーの交代もなく、主題歌も変更無しの安定した年となった。
立花警部の主役は相変わらず多く、 立花警部を主役とする有名な "黒谷町シリーズ" が開始した。 また、この年度には降板したメンバーである、 「速水・津川」 の両刑事による 「帰って来た女刑事シリーズ」 が計4話が作られた。

81年度

続投が決まっていた吹雪刑事が、事務所との関係だと思われるが降板することになり、これが契機なのかどうかは全く不明だが、「Gメン75史上最大の謎」 と言われる、81年度のメンバー交代が行なわれた。

7名のメンバーのうち4名が交替となり、そのうち女刑事が3名だった。 さらに、男性でただ一人加入の草鹿刑事が
23話も欠場しており、6人しかいない作品が多くなった為、他のメンバーの主役数が増加することになった。
立花警部の主役は依然として多かったが、加入した賀川刑事・草鹿刑事・津村警部補らも、それぞれ10話前後で主役を演じた。

Gメン82

全メンバーが活躍することが多いイメージがある。逆にいえば、主役率が高い主力メンバーがいないのが特徴。
僅か17話と少ないために、誰かを前面に押し出そうとはしなかったような気がする。
立花警部の主役も3話と平均的で、新規メンバーたちにも同程度の主役を与えられた。

但し、賀川刑事だけは後方支援が増えており、主役は1話に終わった。 それに対して、津村警部補は4話で主役を演じているので、Gメン75からの累計数では、賀川刑事を超えることになった。 


4.主役の累計数

1) 立花警部

トップは、立花警部が計72話と格段に多い。
多いとは思っていたが、これほど多いとは集計するまで判らなかった。
立花警部は、出演した5年間ほぼ変わらぬ数で主役を張り、年毎の主役数でも80年度の吹雪刑事以外にはトップを譲ったことがなく、高い人気を誇った。−− 5年間の主役率は29%

加入は3年目からなのだが、そうとは思えないほど印象が強いのも、そのためである。
立花警部が "ミスターGメン" と称されることが多いのも、うなずける数値となっている。


2) 草野刑事

第2位は草野刑事の36話。 多くの人気メンバーを抑えて見事に第2位である。
香港カラテシリーズが特に有名だが、カラテシリーズ以外にも数多くの主役をこなしている。
本人は、Gメンの時は背広を着て立っているだけだった、などと謙遜しておられたが、そんなことはない。
どうしてもアクションのイメージが強いが、それ以外でも迫真の演技で視聴者を魅了した。
でなければ、36話もの作品で主役を張ることは、出来なかっただろう。


3) 小田切警視

第3位は小田切警視の30話。
2年目の6人体制に主役数が増加し、他年度の2倍以上の主役をつとめた。 6人体制の時代がなければ、ここまでの活躍はなかったかも知れない。
渋く頼りがいのあるリーダーのイメージがあり人気が高かった。
仕事への厳しさを感じさせるとともに、温かみも感じさせる微妙な役柄を見事に演じておられた。


4) 響刑事

第4位は響圭子刑事の28話。 女刑事では最多であり、初期から2年間をつとめた。
関屋警部補在任中 (33話) は主役率21%だったが、 6人体制 (71話) での主役率は30%にアップした。
小田切警視と同様に、7人体制であったら、もう少し減っていたと思われるが、Gメンの主要メンバーとして活躍した。
テレビドラマ史上初といえる女刑事を熱演し、人気メンバーとなった。


5) 吹雪刑事

第5位は吹雪刑事の23話。
活躍期間は1年間だったが、 主役率が43%と高く、 様々な系統の作品で主役を演じて、 上位に食い込んだ。
吹雪刑事は、 合気道などの実戦能力が高く、 それも彼女の人気が高い理由の一つだと思われる。

吹雪刑事は81年も続投の予定だったが、 所属する事務所の都合だと思われるが、 当初の契約通り1年間で降板となった。 予定通りに続投していたら、 30話を超えていたと思われる。


6) 山田刑事・田口刑事

第6位は、山田刑事・田口刑事の2人が21話となっている。
山田刑事は "おっさん刑事" として、Gメン75に貴重な味付けをしている。
通常なら、メインにはなりにくい地味なおっさん刑事なのだが、主役作品にはハズレがなく、それが主役数が21話という実績となったのだと考えている。
田口刑事は、若き熱血刑事を演じて新しいGメンの魅力を引き出すのに成功した。


8)速水刑事

第8位は速水刑事。主役の総数は21話と山田刑事・田口刑事と同数なのだが、本編のみなら19話なので、その分を考慮して分けた。
初代の響刑事と違い、新人刑事として描かれた為、捜査や実戦能力には若干、物足りない部分もあったが、美しく華やかで響刑事とは違う魅力を出して、Gメン75を支えた主要メンバー


9)ボス

ボスとは、Gメンファンならいわずと知れた黒木ボス。 つまり黒木警視正である。
黒木警視正は、基本的に本部に座っていて指示をするのが仕事であるために、主役作品は非常に少ない。
だから、黒木警視正については、主役作品の多寡は比較の対象とはならない。

Gメン以前のキイハンター等では、黒木ボスの主役作品も結構あったが、Gメンになってからは、部屋から出ることが非常に少なくなった。
キイハンターの頃より、さらに重みを増し貫禄がついたため、部屋で適確な指示をする姿が実にさまになっており、電話などでの一言に、余韻が残るものが多いのはさすがである。


5.累計20回

どこを基準にすれば良いかわからないが、主役作品が累計20回以上もあるということは、かなり多いと見てよいと思う。 全メンバーの中で、20回以上の作品で主役を努めたのは9名である。

        1) 立花警部   72回   5) 吹雪刑事   23回
        2) 草野刑事   36回   6) 山田刑事   21回
        3) 小田切警視 30回   6) 速水刑事   21回
        4) 響刑事    28回   6) 田口刑事   21回
                         9) 中屋警部補 20回

彼らがGメン75を支えた、 主要メンバーと考えても良いと思う。 (次点は16回と格差がある)
もちろん他のメンバーたちも、 Gメン75を支えたメンバーとして重要であるが、 やはり主役の回数は無視できない。

その一方で、主役作品数が3話以下のメンバーが4名もいる。 これはもったいない気がする。
メンバー起用の甘さだと思うが、せっかくメンバーにするなら、事前にゲスト出演でテストするなりすれば良かったと思う。
例えば、田口刑事の千葉裕さんの場合には、ゲストを何度もこなし、実質的にテストが出来ていたと言えるだろう。

新人起用には、「吹雪刑事、村井刑事、マリコ・寺岡刑事、風間刑事」 らがいるが、吹雪刑事以外は失敗している。
吹雪刑事は、一人だけの加入でスタッフの期待が大きかったことや、中島はるみが女優として全くの新人だった為に、一番リスクが高かったはずだが、演技力が急上昇したうえに人気を獲得して成功した。


6.年度単位の主役数

年間の最多主役数は、80年度 吹雪刑事の23回である。 彼女は主役が多いと認識していたが、最多だったとは集計するまで判らなかった。 この回数は彼女の人気の現れであるが、 今なお吹雪刑事が高い人気を保っているのも、 この回数とその作品群ゆえだろうと思う。
年間に主役が15話以上あるメンバーは意外にも少なく、吹雪刑事と立花警部と響刑事の3人だけである。

下記に13回以上をリストしたが、延べ10人(実質6名)の内、立花警部が4回と多く、響刑事の2回が次いで多い。
響刑事の2年目は6人体制のため単純比較は出来ないが、2年連続で13回以上はかなり多い。

また、津川警部補の出演期間は1年のため少ないイメージがあったが、年間主役数なら響刑事に匹敵している事が判る。

                   (主役率)                        (主役率)
1) 吹雪刑事   80年 23回 (43%)    6) 関屋警部補  75年 13回 (39%)
2) 立花警部   77年 18回 (35%)    6) 響刑事 (2)   75年 13回 (25%)
3) 立花警部 (2) 79年 15回 (32%)    6) 小田切警視  76年 13回 (25%)
3) 響刑事     76年 15回 (29%)    6) 津川警部補  79年 13回 (27%)
5) 立花警部 (3) 81年 14回 (29%)    6) 立花警部 (4)  80年 13回 (24%)


7.凶悪犯に立ち向かう Gメンたち

作品の中から、活躍シーンを掲載しています。

    16話 Gメン皆殺しの予告         18話 警察の中のギャング         66話 警視庁の中の密室

 (左から 関屋・響・山田・小田切)   (左から 山田刑事・関屋警部補・津坂刑事)   (左から 山田・津坂・黒木・響・草野)

    106話 女刑事殺人第一課       201話 Gメン対香港カラテ軍団1    213話 ニューカレドニアの逃亡者

   (左から 速水刑事・草野刑事)      (左から 草野・速水・立花・黒木)   (左から 立花警部・津川警部補・田口刑事)

    254話 警視庁の女スパイ     253話 白バイに乗った暗殺者たち    297話 ラッシュアワーに動く指

          (吹雪刑事)                 (吹雪刑事)            (左から 中屋警部補・島谷刑事)


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