264話 悪魔の棲む家
<予告編のナレーション>
ハードボイルドGメン75 次の活躍は
インターポールの捜査官を殺した黒ずくめの男。
捜査官の実の姉が、夫と子供と暮らす山荘に押し入ったギャングが
全員を人質に5億円を要求。
変装して潜入したGメンも犯人の銃弾に倒れ、家の中は血潮の海。
スキを窺った妻が、隠された拳銃を手にしたが、その銃口は思いがけぬ
方向に向けられていた。
次は、「悪魔の棲む家」
(タイトル文字が、予告編は「白字」で本編が「赤字」は、260話「悪魔の結婚式」と同じ)
<監督:山口和彦、 脚本:池田雄一>
1.作品について
この作品でのお気に入りは、悪党の睦五郎さん。
迫力があり悪党ながら魅力がある。
不気味な雰囲気と緊迫感に溢れており、かなりの見ごたえがある作品。
キイハンターからコメディの要素を完璧に取り払った上で、重量感を
増しているように思う。
この作品には、キイハンターの雰囲気を感じる。
ミステリー作品は、一度見れば二度目は面白さが落ちるものが多い。
しかし傑作は別であり、この作品は傑作に値すると思う。
私も何度も見たが、結末を知ってからも、暫くたってから見ると面白い。
全員の俳優が非常に上手く演技しており、迫真性が高く何度見ても面白い
それでも、この作品はミステリーだから、内容はあまり書けない。
2.悪党 「村田」と、相棒の女
睦五郎さんが演じた、荒々しいが知性も感じる悪党「村田」は、この作品の緊迫感を実に上手く盛り上げていて気に入っている。
この作品を傑作にした、功労者だといって差し支えないとさえ思う。
この作品が再見しても面白いのは、村田を演じた睦五郎さんの個性と名演技によるものが大きいと思う。
なお、この悪党の最初のセリフには意味深長なものがある。
この眼光は印象的だが、鋭すぎるから悪党しか演じられないかも知れない。
(このページをアップする前に確認したところ、睦五郎の「郎」が「朗」になって
いるので改名されたらしい)
相棒の「リサ」は新橋耐子さんが演じているが、ドスが効いていて凄腕の悪女というイメージがする。村田の相棒に相応しいと思う。
(女の名前は、最初は判らなかったが、何度も聞いている内に「リサ」だと判った)
そして悪党たちは、息子の 「昇」 を人質にして5億円を要求する。
3.井沢家の人々
人里はなれた、山の中の一軒家に住む人々。
山林地主の井沢拓郎(池田鴻さん)は、人のいい人物だが射撃は上手い。
殺されたインターポール捜査官 重岡警部補(氷室浩二さん)の姉の重岡清美は、夫と息子そして実の母親の面倒をみている。
清美の母親は不気味で、作品の雰囲気を盛り上げに効果をあげている。
子供は父親の創作した童話を無邪気に読んでいるが、意味が判っているのだろうか?
それにしても、こんな山の中に一軒家で住むのは怖い。誰が来たかも判らないし、助けも呼べない。
4.Gメンたちの活躍
最初、島谷刑事と田口刑事が登場し、そして悪党が登場する。
しかし、この悪党たちは手強い。
田口刑事の奮闘も、島谷刑事の捜査も効を奏さない。
村田は格闘も強く、非情な男でかなりの強者。
さすがのGメンたちもピンチに陥ってしまう。
井沢家に電話をかけた立花警部は、さすがに百戦錬磨らしく不審を感じて、
中屋警部補と吹雪刑事の2人を応援に送り込む。
黒木警視正も、不安そうに立花警部を見つめる。
中屋警部補とともに、銀行員に扮して潜入する吹雪杏子。
そして彼ら2人は、屋敷内の不審を感じ取る。
印象に残ったセリフ
黒木警視正 「悪魔は棲みついた家から、叩き出された」
5.吹雪杏子刑事の活躍
吹雪刑事の主役作品ではない。だから活躍場面は少ない。
しかし、画面への登場は比較的あって印象的である。
悪党"村田”に睨まれた時にも、吹雪杏子は全く動じず美しい。
まさしくクールビューティ! (下の中央の画像)
島谷刑事と田口刑事の応援に、吹雪刑事は中屋警部補とともに駆けつける。
銀行員になりすました吹雪刑事は美しく、清潔感に溢れた可憐な姿で2人の
悪党のプロをだますが。
気付きにくいと思うが最後の場面で、吹雪刑事は、悪党に捕らわれた島谷・
田口の2人の手錠を外し、2階から降りて来ている。