267話 Gメン対世界最強の香港カラテ Part1

(注:ストーリーが判らないように解説していますが、ネタバレの内容は含んでいます)

<予告編のナレーション>

ハードボイルドGメン75 次の活躍は

香港の日本領事が誘拐された!
犯人は香港ギャングのカラテ殺し屋軍団と、
国際犯罪人カードに登録された日本人。

香港に飛んだGメンたちと強力する香港の警部に接触する
ドラゴンと呼ばれる男は敵か味方か?

身代金を持った領事の娘を護衛するGメンに襲い掛かる
カラテ殺し屋軍団。

次は、「80 香港カラテ ロケシリーズ
        Gメン 対 世界最強の香港カラテ」 Part1

     <監督:鷹森立一、 脚本:高久 進>

1.作品について

ついに、80年度の「香港カラテシリーズ」 2部作の幕が開く。

この2部作は、恐らくシリーズ中の最高傑作だと思う。
草野刑事が登場しない淋しさはあるが、作品のレベル的にはそう思う。
主力4人が総力戦で、香港カラテと対決するシーンは見ごたえ充分である。
       次に良かったのが、「127話 南シナ海の殺し屋」からの2部作。
        ラストシーンなら、「202話 Gメン対香港カラテ軍団Part2」


代名詞のヤン・シーの肉体美(右上の画像)、カラテ使いの必殺技が、
今回もGメンの前に立ち塞がる。

香港警察の警部を演ずる高品格(下の左側)さんのいぶし銀の演技も印象的。

日本総領事の誘拐事件を解決する為、南雲警視とGメンが香港で活躍し、
吹雪刑事が、カラテ使いと真っ向勝負をして、得意の合気道で投げ飛ばす場面もある。

   今回は、香港カラテシリーズの第11話目
             (全20話、 Gメン82も入れると全24話)


 注) 東映ビデオは 「Gメン75の人気投票」 を、2008年6〜8月の3ヶ月間かけて行なったが、
     この作品は見事に " 第5位 " に選ばれた。
     良い作品だとは思っていたが、この作品の人気の高さが現われている。
            (投票件数は5件と限られた為、2部作は不利だから、5位は素晴らしいと思う)


2.遊佐テツジの策略

  (テツジの字は不明だが仮に「哲次」なら、33話関屋警部補の殉職編
  撃ち合った、あの「遊佐哲次」と同姓同名である)


力石考さんが演ずる男は、国際犯罪人カードに登録されたほどの凶悪犯で、
今回の犯罪の首謀者。

"腕力”はカラテ使いが担当し、自分は"頭”と考えている。
領事や大使を誘拐して高額の身代金を、国からせしめるという大胆不敵な
犯罪を計画し、香港ギャングと手を結んだ。


3.ドラゴンと周警部

香港カラテシリーズで、初めての"助っ人”が登場する。
この"竜英傑"を演ずるのは香港のスター「何宗道」(ホウチョンドウー)で、ブルース・リーのそっくりさん。
以後も何人か、カラテ使いの助っ人が登場したが一番好きな人である。

しかしこの男、"一応” 助っ人と呼ばれているが、実は単純ではない。
かなり乱暴な男で、最後には味方になるがそれまでは手強い敵として、Gメンたちはその鉄拳・キックに何度も苦しめられる。
まさに"謎の男”である。

<ブルース・リーの代役>
ブルース・リーの代役になったのは、顔だけでなく動きも似ているからと思う。
スピーディで強烈なパンチとキックが、よどみなく流れるように繰り出される。
もちろんヌンチャクも上手い。
   (この動きの良さがあるので、助っ人の中で一番好きである)

<周警部>
ドラゴンと関係がありそうなのが、香港警察の周警部。
高品格さんの渋い演技はさすがである。
傲慢で、へそ曲がりで、仕事は遅くて、陰険。
どこから見てもいいところが見えない。そして全くとらえどころがない。
                           (右の画像)


4.殺し屋カラテ軍団

ボスの蔡(韓英傑)に率いられた香港のギャング組織。(左の画像)

このシリーズの、代名詞ともいえるヤン・シーも登場する。
    (ブルース・リーの「燃えよドラゴン」にも登場しているゴツイ男)
彼は体重100Kg。カラテ技だけでなく「燃えよドラゴン」では、「腕ひしぎ十字固め」をしていたところから、柔道もかなり出来るようである。

    (228話でのヤン・シーは、草野刑事も助っ人もいないので、Gメンたちに簡単に
     やられてしまったが、今回の2部作は本来の強さである)


腕利きのカラテ使いを数多く揃え、人殺しを簡単にやってしまう凶悪な犯罪組織。
Gメンは、かつて同種の組織を何度も叩き潰したが、また現れてくる不死鳥のような悪業ども。

なお従来の作品では、組織のことを「香港コネクション」と言っていたが、今回は「香港ギャング」と呼んでいる。
しかし後の作品では、また「香港コネクション」と言っている。

 (注:「揚斯」の読み方−−−人によって「ヤン・シー、ヤン・スエ、ヤン・スー」等の呼び名がある。
  倉田保昭氏は、彼と一緒に長い間仕事をし中国語も堪能である。その倉田氏が「ヤン・スー」とインタビューでも
  発音しているので、「ヤン・スー」が正しいとは思う。
  しかしながら、放送された際の字幕にフリガナで「ヤン・シィー」と書いてあり、このHPでは「ヤン・シー」に統一する)


5.「燃えよドラゴン」での不満の解消?

映画 「燃えよドラゴン」 の不満な点は、ブルース・リーとヤン・シーの格闘場面がないこと。
どうして、この2人の対決をやらなかったのか不思議な気がした。

そして今回、ブルース・リーの代役もやった"そっくり”さんがやってくれる。
後編になるが、「燃えよドラゴン」 で実現しなかった夢の格闘を、代役が1度だけだがやってくれた。


6.Gメンたちの活躍

日本総領事 朝倉(永井秀明さん)の誘拐事件で、香港に来たGメンたちも、香港ギャングや、神出鬼没の「ドラゴン」と呼ばれる"謎の男”には翻弄される。
南雲警視らは苦戦しながらも、日本領事館を警護し香港ギャングと対決する。

日本総領事の娘が、身代金を持って歩き出していく。
中屋・島谷・田口・吹雪というGメン実戦部隊4名が総力を挙げて娘の護衛の任務につく。
段々と対決の気配が高まってくる。

  (草野刑事が去った後は、助っ人が登場するようになるのは淋しいが、
    柔道の中屋、空手の島谷・田口、合気道の吹雪、この男女4人は
    草野刑事を除いたら、Gメン全メンバーで最強だと思う。
    ヤン・シーのクラスこそいないが、格闘レベルは高い)

香港ギャングは用意周到だった。
2組に分かれたGメンの前に、カラテ使いたちがGメンの護衛を妨害する。
Gメンは娘を守れるのか?


7.吹雪刑事の活躍

吹雪杏子が、SPからGメンしてから15話目の作品。

今回は総領事の娘を守るために、吹雪刑事は決死の覚悟で護衛する。
そして待ち伏せるのは、カラテ軍団の殺し屋たち。

1)香港へ

遊佐テツジの策略による、日本総領事の誘拐事件を解決するため、吹雪刑事は南雲警視らと計5人で香港に飛び立つ。
グルシア大使夫人の奪還に成功したGメンだが、今回は成功するのか?
                                                  スタイル抜群の吹雪杏子
領事の妻子を力づける吹雪杏子。切断された「片腕」が送られてきた時にも、
吹雪刑事は全くうろたえず妻子をかばって隣の部屋へ。


                         2)総領事の娘の護衛

  香港ギャングもついに動き出す。
  領事の娘を護衛するGメンは、香港ギャング側の妨害工作にあい苦戦する。
  そしてついに、周りの男たちは誰もいなくなった。。。

  しかし、吹雪杏子刑事は危険を承知で、娘の護衛を敢然と遂行していく。
  仲間たちがいなくなっても、気丈にも一人で、バスに乗り込み護衛を続ける
  吹雪刑事の姿には感動する。

  その先には、カラテ使いの殺し屋軍団が待ち構えることを予測しながら、
  吹雪杏子が冷静に護衛を遂行できたのは、元SP隊員としての厳しい特訓
  賜物でもあるだろう。

                           緊張感が高まる場面。


3)香港ギャングが待つ館にて

カラテ軍団が指定した館にも、吹雪刑事は娘を追って侵入する。
杏子が予想したとおり、屋敷の中で数人のカラテ使いに囲まれる。
しかし、吹雪杏子は全くひるむことなく、毅然と立ち向かう。
さすがに彼らは、杏子の態度を見て強い女と直感した。

彼らは通常の女性に対するようにはせず、敢然と吹雪刑事に襲い掛かった。

見どころは、吹雪刑事の闘いである。 彼女はカラテ使いを、合気道で投げ飛ばす。 パンチをかわし、殴りかかる腕を素早くつかみ、吹雪杏子が投げ飛ばす。


吹雪杏子が、Gメン最強の女刑事としての本領を発揮する場面。
床は石(orコンクリート)だろう。柔道家が受身をしても大きなダメージがあるし、
そもそもカラテ使いは、受身が出来ない

パンチ・キックに彼らは慣れているが、吹雪刑事に投げられたカラテ使いは、
キックの数倍ものダメージ
を受けただろう。
しかしその時、、、香港ギャングの、強力な用心棒が杏子に迫ってきた。


    娘を護衛する 吹雪刑事      中屋警部補に連絡する吹雪杏子       カラテ使いの猛者たち


作品リストへ戻る      トップへ戻る