268話 Gメン対世界最強の香港カラテ Part2

(注:ストーリーが判らないように解説していますが、ネタバレの内容は含んでいます)

<予告編のナレーション>

ハードボイルドGメン75 次の活躍は、

領事の娘と護衛の女性Gメンを、意外にもカラテ殺し屋軍団の
襲撃から奪い、身代金を手にするドラゴン。

その身代金を持って、香港ギャングの巣窟に周警部と乗り込んだが、
無残にも警部は殺された。

周警部の温情に救われたことのあるドラゴンは、怒りに燃え、
つきとめた領事の監禁場所に、Gメンとともに突入。

壮絶! 香港カラテとの大決闘!

次は、「80 香港カラテ ロケシリーズ
        Gメン 対 世界最強の香港カラテ Part2」

     <監督:鷹森立一、 脚本:高久 進>


1.作品について

香港カラテシリーズ2部作の後編。

日本総領事の奪還を図る、南雲警視や吹雪刑事ら5人の活躍。そして、
香港カラテの強さと、味方になった頼もしい助っ人「ドラゴン」の活躍を描く。

しかし謎の男”ドラゴン”の行動は、なおも不可解である。

前編にも書いたが、映画「燃えよドラゴン」で実現しなかったヤン・シーと
ブルース・リーの闘いを、ブルース・リーの代役「何宗道」による夢の対決の
実現。

最後は予告ナレーションの通り、まさしく大決闘の火蓋が切って落とされる。
香港カラテシリーズの最高傑作の後編。


  注) Part1で説明したが、東映ビデオによる 「Gメン75の人気投票」 で、
      Part1が " 第5位 " 、Part2は "11位" に選ばれ、人気の高さが現れている。
      2部作は、投票件数が限られているため不利なのに、2作品共に上位に選出された、


2.ドラゴン

後編でも不可解な行動をする、「ドラゴン」と名乗る謎の男"竜英傑”。
この男に後編もGメンは翻弄される。
そして、周警部(高品格)の温情を受けた彼の怒りが爆発した。

ブルース・リーのそっくりさんで、映画の代役もつとめたというだけあって、動きはスピーディでよどみなく流れるように素晴らしい。
この格闘技はカンフーだが、Gメン75ではカラテとしているから、全てカラテで統一している。

<メイド>
日本総領事官のメイド「レイレイ(竹井みどり)」は実はドラゴンの妹だった。
ドラゴンと妹はレイレイは、周警部に恩義を感じていた。

3.香港ギャング

香港ギャングは、ボスの蔡(江島)(画像右側)ら3人が特に強く、
草野刑事以外では1人では太刀打ちできそうにない。やはり彼らは強すぎる。

ヤン・シー(揚斯:画像左側)は別格としても、ボスの蔡よりも屠龍 (ディック・ウェイ :画像右下) の方が手強く感じている。
動きもシャープで力強い。


 ・この3人と何宗道の一挙出演は、香港のスター連合軍という誠に豪華な
  メンバーで、「世界最強の香港カラテ」というタイトルは、"内容が伴なっている"
  ことが判る。



4.Gメンの活躍と「最高の総力戦」

男性Gメンは、最初の護衛ではカラテ軍団に罠のかかり、吹雪刑事1人に
護衛を委ねたが、ラストは全員が大活躍する。

最後は、凄まじい格闘。
ドラゴンとGメンが総力を挙げて、香港カラテ軍団と対決する!!

最近の安っぽいワイヤーアクションなどではない、本物の肉弾相搏つパワー溢れる格闘。
数ある香港カラテシリーズでも、「総力戦」 としては最高の格闘場面だと思う。


南雲警視はGメンら計5名で、総領事の監禁場所に乗り込む。

香港カラテも強く、特に上記の3人は強い。

カラテ使いと懸命に闘うGメン。
そして救援に登場したドラゴンが、ヤン・シーらと対決する。



  1)草野刑事の頃−−−−−カラテ使いとは草野刑事が殆ど1人で闘っている。
  2)草野刑事が去ったあと−−総力戦となり、228話人喰い虎2部作では3名が格闘。
  3)今回の267話の2部作−−さらに吹雪刑事も加わり、4名がカラテ使いと闘う。


5.吹雪刑事の活躍

以下の、1) と2) はPart1、 3) 4) はPart2の説明です。

3人の男性Gメンがいなくなった。
吹雪刑事は、総領事の娘をたった一人で護衛をすることなってしまう。
懸命に護衛を続ける杏子の前に、カラテ軍団が現われる。
しかし杏子は、強靭な精神力と合気道を武器に、敢然と立ち向かった。
       (前編ラストと最初がダブっており、そのシーンを詳しく書く)

1)殺し屋が待つ館で

前編の終盤、香港の館の中から始まる。
総領事の娘の護衛は、吹雪刑事ただ1人となり。殺し屋に取り囲まれてしまう。

女刑事が大ピンチの場面だが、吹雪杏子は強い。 降参する気は全くない。
「身代金は渡せません!」 彼女は毅然と言い放つ。

吹雪杏子の表情と全身から、決死の覚悟とパワーが感じられるシーン。


2)吹雪杏子の合気道

<注目すべきは>
カラテ使いたちは、杏子を女だからと"軽く”見ていないことである。
彼らは、全力で吹雪刑事に襲い掛かっている。

杏子の合気道のことは知らないはずだが、武術家は相手をみれば強いか弱いかはだいたい分る。
吹雪刑事の動きと、取り囲まれても堂々と臆することのない彼女に、尋常の女ではない強さを感じ取ったからだろう。

杏子は細く可憐だが、鍛え抜かれた全身から繰り出す合気道で立ち向かう。

襲い掛かるカラテ攻撃をかわして、吹雪刑事は完璧に投げ飛ばしていく。
杏子の合気道の技量は、やはり卓越している。
  (「112.吹雪刑事の格闘」のページでも書いたが、吹雪杏子は荒唐無稽なほど強くないが、かなり強い)


3)用心棒のドラゴン

ついにドラゴンが動きだす。この男には、吹雪刑事はたじろいだ。
凛々しい杏子の表情は曇り、娘を守りながらもジリジリと後退する。
さらにカラテ使いに両側から腕をつかまれ、腕力で劣る吹雪刑事は動けなくなった。

今後こそ吹雪刑事の最後かと思われたが、ドラゴンは意外な行動に出る。

<以下、少し省略>

再度、ドラゴンは吹雪刑事に向かってくる。
ドラゴンの強さを目の前で見たにも拘わらず、杏子は決死の技を仕掛ける。
気丈な吹雪刑事の、思い切った反撃。
果たしてドラゴン相手に、吹雪刑事の合気道が通じるのか?


  (後編も吹雪刑事の出演場面は幾つもあるが、前編に比べると活躍は少ない)


4)総領事の救出へ

ドラゴンから、総領事の監禁場所の連絡を受けた吹雪刑事ら5人は現地へ
急行する。 南雲警視と吹雪刑事は総領事の救出に向かう。(右の画像)


注)この2部作の製作エピソードについては、KAJITA巡査さんの作品のページに
   掲載されているので、ぜひ参照して欲しい。



    領事親子を見守る 吹雪刑事       杏子はドラゴンに手を振る         さすがの 吹雪刑事も


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