275話 警官の妻たちの連続殺人
<予告編のナレーション>
ハードボイルドGメン75 次の活躍は、
銀行を襲った3人組の2人は逮捕され、1人は逃亡した。
だがそのあと、手柄に喜ぶ警官の妻たちが続いて殺された。
暴走族の復讐か?
検挙率の高さを誇る所轄警察の姿勢に疑問を抱いたGメンの目は、
ラーメン屋の妻がひき殺された交通事故の死因に注がれる。
事件の裏に潜んだ犯人の黒い恨みの炎!
次は、「 警官の妻たちの連続殺人」
<監督:内藤 誠、 脚本:西島 大>
1.作品について
南雲警視(川津祐介さん)の主役作品として鋭い推理を見せる。
しかし吹雪刑事の出演シーンも多く、準主役と言えるほどの役どころである。
大明中央銀行に3人組の強盗が押し入ったが、警官2人が即逮捕する手柄をたてて総監賞をうける。 ここから事件が発生する。
その宮前警察署には、田口計・睦五郎・三角八郎などなど、怪しげな面々が次々と登場してくる。
よくもこれだけの悪役俳優を、動員したものだと感心するほどである。
(推測だが今回は275話。この「75」に注目して、一種の"お祭り”のように、
悪役俳優をズラリと並べたのかも知れないと思うが、どうだろうか?)
警官の妻の連続殺人は、銀行強盗と関係があるのか無いのか?
そして、吹雪刑事が発見した日誌には、重要な手掛りが隠されていた。
都会の片隅で必死に生きようとする、男女の悲鳴が聞こえてくるようで
見ごたえのある作品。
2.武上と妻のかおる
武上(小野川公三郎さん)の妻 かおる(山本みどりさん)には、万引きの前科があった。
そういえば、237話「女たちの拳銃泥棒」でも山本みどりさんは元スリだった。
(山本みどりさんは、まさか悪役俳優の1人として、動員
されたわけでは、ないだろうが)
"かおる”が、懸命に生きようとしている姿はいじらしい。
それなのに死んでしまう。 あまりにも哀しすぎる話だ。
(今回も、山本みどりさんは綺麗だった)
小野川さんは、屋台のラーメン屋が多かったように思うが、
やはりこの人も悪役俳優の1人。
3.豪華絢爛! 宮前警察署の悪党面
良くぞ、これだけ悪役俳優がそろったものだと思う。
あまりに多いので唖然としてしまう。
わざわざ集めたわけだが、Gメン75でこれを超える作品は無いと思うが。
署長役は以前の作品でもそうだったが、一見は温厚そうに見える男が良く似合う。
睦五郎さん、溝口舜亮さん(33話の遊佐役)、田口計さん、三角八郎さん、などなど実に多彩なメンバーである。
検挙率No.1の警察署ということだが、銀行強盗と殺人事件を混同してしまい、整理できるものがいない。
ということは、かなり荒っぽい取調べが行なわれているのだろう。
まさしく、悪党面の大集結!
4.南雲警視らGメンの活躍
南雲警視は久々の登場だが、登場するときは多くが主役である。
今回も、鋭い推理・捜査眼を発揮する。小田切警視よりも非情に徹している。
南雲警視の宮前警察署に対する追求はかなり厳しく、数々の強面する面々を相手に矛盾点を突いていく。
鋭い切り込みには、川津祐介さんは向いているように思う。
そして混乱する捜査の中で、南雲警視は吹雪刑事らとともに犯人を段々と絞り込む。
5.吹雪刑事の活躍
主役は南雲警視であるが、吹雪刑事の活躍シーンが多いのでファンとしては嬉しい。 犯人を追い詰める鍵となる捜査も行なっており、準主役と言えるほどである。
最初の13分ほどは、南雲警視以外のメンバーは誰も出ないので、出番は少ないのかと思ってしまうが。
1)モンタージュ作成
吹雪刑事は目撃者と共にモンタージュを作成する。
前作の274話では、吹雪杏子は似顔絵を書いてモンタの代わりに使用したが、
脚本家が同じ西島大さんなのに、今回はモンタージュ写真を作成している。
吹雪刑事は手際よく、モンタージュの作成後すぐに犯人の名前と、働いている場所、住所を割り出した。−−−ここから事件が大きく進展する。
2)かおるの日誌
南雲警視は、中屋ら3人に交通事故の調査を命じ、杏子だけに「ガサ入れをしてくれ」といったが、1人では少ないのでは?と思う。
吹雪刑事は日誌の重要性に注目した。
この日記をキーポイントにして、事件の真相に迫っていく事となる。
3)梶間刑事への取調べ
吹雪刑事は力強い眼光を放ちながら、南雲警視とともに梶間刑事を
取り調べる。
杏子が日誌から、梶間刑事を追求していく。
しかし、三角八郎さん演じる刑事はしぶとく粘る。
4)殺人犯人の逮捕
ラストでGメン5人が階段を登りながら、横並びで歩いてくる姿はカッコイイ。
そして殺人犯人は、吹雪杏子が1人だけで手錠を掛けて逮捕する。
2人も殺した男で抵抗・逃亡する可能性もあるし、誰かが一緒にとも思うが、
他のGメンは、吹雪刑事1人にまかせて歩いていく。 (下の中央の画像)