277話 大暴走 ガソリンタンクローリー
<予告編のナレーション>
ハードボイルドGメン75 次の活躍は、
泳ぐことも禁じられた、治療に悩む小学生が誘拐され、
現金輸送車のガードマンを務めるその父親を襲撃。
人質の子供を盾に、助手として乗り込んでいたGメンを脅迫。
タンクローリーに乗り継ぎ逃走。
犯人と父親とGメンを乗せたタンクローリーを追って、
子供の命をかけた白熱の追撃戦!
次は、「大暴走 ガソリンタンクローリー」
<監督:山口和彦、 脚本:池田雄一>
1.作品について
田口刑事の主役作品。 演じる千葉裕さんは、A級ライセンスを持っておられるので、運転は得意中の得意。
237話「カーアクション強盗団」以来の、カーチェイスを見せる。
田口刑事のカーチェイスを前面に出した作品だから、冒頭からカーチェイスが始まっている。 さらに車が燃え上がるシーンは、ガソリンのタンクローリーらしく"猛烈”な火炎に包まれており、非常に迫力のある演出となっている。
子供を誘拐された、父親と護衛の田口刑事は犯人と対決するが、果たして無事に救出できるのか?
2.元暴走族の犯人
主犯の木下を演じる伊藤達広さんは、いかにも悪人という風貌と声色で凄みがある。 また相棒の女"弘美"を演じる石原祐さんは、トラック野郎の映画にでも出てきそうな感じの女性。
この当時は、悪役が似合う人が今よりも多かったようで、作品毎に次々と悪人顔の俳優が登場する。
3.ガードマン
石倉順造(福田豊土さん)は田口刑事の元上司だったが、現在は銀行のガードマンをしている。
その石倉氏の警察退官の原因は田口刑事と、白バイ警官時代の1年前の事件によるものである。
(注:1年前の田口刑事はGメンに入っていた。せめて2年前に出来なかったのか)
子供の正和(池田直人さん)は、小学校1年生で血友病を患っている。
その正和が誘拐された。
4.田口刑事の活躍
元上司の石倉氏からの通報で、事件解決のためガードマンに変装して、極秘で護衛をすることになった。
しかし犯人の用意は周到で、田口刑事は手を出せない。
さらに田口刑事が、警察手帳を落とそうとするが今度は石倉氏が妨害する。
次に田口刑事は単独で、隠し持った拳銃で逆転を狙う。
そして最後は、凄まじいカーチェイス。
田口刑事は負傷しながらも、必死のハンドル捌きを見せる。
A級ライセンスを持っている千葉裕さんにとっては、願ってもないような作品内容。さぞ喜ばれたことだろうと思う。
カーチェイスが目立つ作品だが、他にも田口刑事の見せ場が多い作品。
<気がついたこと>
1)子供を助手席に乗せたのに、いつの間にか後部座席に移っている。
また当時はまだシートベルトがない上に、助手席は最も危険なために、一番安全と
言われる運転席の後ろに移したのではないかと考えている。
2)窓ガラスが割れたのは、銃弾が打ち抜いた箇所だけだったが、すぐにほぼ全部取り除かれている。
ガラスの破片が飛ぶと危険だから、リスクを避けるためにあらかじめ除いたのだろう。
5.吹雪刑事の活躍
田口刑事の主役作品であり、出演シーンは幾つかあるが、いわゆる活躍
シーンはない。
1)子供誘拐の事件
石倉氏から田口刑事への事件通報に対し、Gメン部屋の中での作戦会議。
2)現金輸送車の行方
吹雪刑事は行方不明の、現金輸送車の行方を仲間とともに検討する。
その時、電話が入る。
3)車の中から
Gメンらと現場に駆けつけた吹雪刑事は、車の中から石倉正和を救出する。