303話 殺し屋新婚夫婦

(注:ストーリーが判らないように解説していますが、ネタバレの内容は含んでいます)

<予告編のナレーション>

ハードボイルドGメン75 次の活躍は、

Gメンの車に危うく轢かれそうになった松葉杖の老人。
その翌日、老人の死体が川から発見された。
事故死か? 他殺か?

前の晩老人と出あった付近の聞き込みに歩くGメンが立ち寄った
スナックのマスター夫婦は、新婚ホヤホヤ。
だが、友達の女とそのヒモの男に脅迫される妻の秘密。

死んだ老人のひき逃げ事件に拘わる、恐ろしい疑惑を妻に抱く夫。

次は、「殺し屋新婚夫婦」

     <監督:山内 柏、 脚本:西島 大、押川国秋>

1.作品について

田口刑事の1人主役作品。
282話 「肉体のない女が呼んでいる」 で、吹雪刑事と2人主役以来の主役である。
そういえば、あの時も吉岡ひとみさんがゲストで出演されていた。

冒頭の不気味さは、かなりの緊迫感を伴うもので見ごたえがある。
老人は車に轢かれそうになるが、それは田口刑事の車だった。
その老人、津山良平は不思議な言葉を残したまま、翌日は死体となって
発見された。

田口刑事は所轄と意見を異にして、他殺と見ていた。


2.新婚夫婦

スナックの新婚夫婦の夫は、伊藤高さんが演じている。
男は周囲に敏感だが、その敏感さに視聴者は緊迫感を感じてしまうだろう。

事件が起こった後、夫は崖の上から川岸まで降りていくが、なぜわざわざ降りるのか最初は理由がわからなかった。あとで理由が説明されるのだが。
この夫の役の方は悪役が多いから、今回は果たしてどうなるのか?

妻を演じるのは、井原千寿子さん。こちらも何かあると思わせる、じつに意味深長な表情を見せる。そして徐々に真相が判ってくる。

3.妻の友人

スナックを手伝っているのは、妻の友人でクミコ。
最初は吉岡ひとみさんだと判らないくらい、いつもと雰囲気が違っていた。
彼女の笑顔はなかなか素敵だった。

しかしヒモの男と一緒に現れたときは(右の画像)、いつもの吉岡ひとみさんになっていた。
男はクミコが車の中で、"シゲル"と呼んでいるようだが、良くは判らない。

4.老人 津山良平

松葉杖の老人、津山良平(下元勉さん)は、かつて息子夫婦を自動車事故で亡くしていた。
そして半年前には、孫の津山昇一も失い、自らも片足を失った。
観音像を彫っていたが、それが彫り終わったため復讐に立ち上がる。
  (観音像を彫っていても復讐心は消えないのか?)

<疑問>
老人が、それほどはっきりと車番を覚えていて所轄に言えば、幾ら何でもその車の持ち主を調べるだろうし、車を見れば事故がわかると思うし、判らなくても、夫婦に取調べをするだろう。
それなのに、夫は事件を全然知らないということは無いと思う。

5.田口刑事らGメンの活躍

老人を轢きそうになったのは、田口刑事だが、運転の上手い田口刑事あのような運転をするかどうかわからないが、そういうこともあるという事だろう。
しかし、見ているときは違和感を感じなかった。

田口刑事が、偶然出くわした老人が、死体で発見される。
そして死体と田口刑事がつながってくる。
所轄の刑事は、事故か自殺説をとっているが、田口刑事には昨日の件があるだけに、他殺としか思えなかった。

田口刑事がスナック ケルンを初めて聞き込みに入るとき、真っ黒なシルエットになって警察手帳を差し出すシーンは印象的。 (右下に画像)
その姿は新婚夫婦にとっては、悪魔の使者のように感じただろう。

ラストで田口刑事が拳銃を構えているシーンはカッコいい。いつもなら立花警部がやるようなシーンだった。

6.吹雪刑事の活躍

吹雪編は51話目で、この作品を入れていよいよあと4話となった。

今回は、田口刑事の主役のため、吹雪刑事の出演は少ない。

1)Gメン部屋

Gメン部屋で事件の検討の後、中屋警部補らとともに、捜査に
出動していく。

6)山の中で

吹雪刑事は中屋警部補らとともに、野犬によって発見された証拠物件の
現場に行く。

この時、吹雪刑事は右足を巻いてはいないが、何かを当てている。
怪我でもされたのだろうか?
しかし、歩いている姿からは、ほとんど影響はなさそうだが。

<ちょっとした疑問>
このシーンの映像時間は短い。あれだけの撮影のために、山の中まで
わざわざ行ったのだろうか?
それともカットされたシーンがあるのだろうか?

3)犯人の前へ

犯人の前へ、吹雪刑事は立花警部とともに姿を現わす。

その直後、立花警部が手錠を横に出すが、その出し方の雰囲気は、吹雪刑事に手錠を渡して掛けさせるものだが、この作品で掛けさせるなら田口刑事だろうから、吹雪刑事は何もしなかったが。
         (右の画像の、左側のトレンチコートが吹雪刑事)






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