304 プロ野球開幕 ナイター殺人事件
<予告編のナレーション>
ハードボイルドGメン75 次の活躍は、
高校出のルーキー投手が、プロ球団と八千万円で契約。
その影に中学時代から、バッテリーを組んだキャッチャーが
その投手を助けるために、犠牲となって野球生命を絶たれた。
だが黄金ルーキーが新築中の豪邸が放火され容疑者として逮捕された。
少年の無実を信じるGメンは、ガールフレンド、オーナーの娘たちをめぐり
社会の矛盾に歪められた、青春の真実を追究する。
次は、「プロ野球開幕 ナイター殺人事件」
<監督:堀 長文、 脚本:西島 大>
1.作品について
中屋警部補の1人主役作品。
降板直前であり、最後の1人主役となった。
プロ野球の入団ドラフトにからんで、事件が発生する。
無垢で野球に全力で打ち込んでいた少年に、金銭・女などの欲が芽生えてくる。
この題材は時事の問題ではなく、未来永劫になくならないだろう。
バッテリーを組んでいた男は、犯行を自供するが本当に犯人なのか?
一体だれが、犯人なのか?
中屋警部補は自らの経験と直感で無実を信じ、真相に迫っていく。
新築工事中なら、誰も住んでいないから死傷者は出ない、それを見越しての犯行だろうか?
今回の犯人は、凶悪度が低いのが特徴となっている。
2.大西圭一捕手
大西圭一(松本誠一さん)は、郷田投手と中学時代にバッテリーを組んでいた。 かつては、郷田に強い友情を感じていたが。
大西は全焼した郷田邸の付近にいた時に、放火事件を捜査中の藤原警部補に逮捕される。
出火当時、大西が付近をうろついていたことや、大西の指紋のついたライターが発見されたことから、自供を始める。
中屋警部補に真相を見抜かれるが、頑強に抵抗する。
遠くから郷田のピッチングを見ている大西の笑顔は、じつに素晴らしい。
そのとき3人で遠くから見ている姿は、絵になっている。 (右の画像)
ズングリしている体型は、いかにもキャッチャーという体型だ。
3.郷田 明投手
中屋警部補が中学時代から知っている、城南高校の郷田明投手(二戸義則さん)は、大物ルーキーとして八千万円の契約金でプロ野球に入団した。
大金が手に入るか ・ 入りそうになると、人間は人が変わる"と言われる。
郷田もその金の罠に入り込んでしまう。
あり地獄のように、一度その中に入りると欲望に勝てなくなるのか。
父親が金を吊り上げていく姿などをみて、自身の能力が金を生む快感を覚え、段々と強欲な面が強くなっていく。
根っからの欲の深い男ではないと思うのだが。
背が高く、しなやかな体はピッチャーに向いているような体型だ。
4.印刷会社の娘
村井印刷の娘エリ子は郷田と恋人だったが、郷田の変心をキッカケとして、大西圭一と心が触れ合うようになり、大西を支えていくようになっていく。
ところで、この娘の証言には辻褄が合わないように思う。
「午後6時から10時まで大西と一緒にいた」という。これは事実のようだが。
大西は火事が起きた頃に、目撃者によると大西は、郷田の家の周辺をうろついていたのだから辻褄があっていない。目撃者の証言だけでなく、本人もそれを認めている。
5.球団オーナーの娘
悪口になるが、
郷田親子がオーナーと食事するシーンで、オーナーは妻と並んでいると思っていたら、 驚いたことに、なんとオーナーの娘だという。
年齢も相当高く厚化粧で、高校生が好きになるタイプではなさそうなのだ。
しかし高校生の郷田といい仲になっていく。
幾らなんでも、これほどのミスキャストはないだろう。
もう少し若々しくて相応しい女優が誰かいるだろう。 人選する人が、妻と間違ったのだろうか?
6.中屋警部補らGメンの活躍
偶然にも中屋警部補は、中学3年の時から大西・郷田の2人と知り合いになっていた。 その少年の心情を理解している中屋警部補は、大西はウソをついて自供していると判断し、尋問で追求する。
所轄の警部補と議論する中屋警部補には、真実を追究しようという熱意が感じられる。 大西のアリバイは成立するのか?
最後は、前話の田口刑事と同様に、中屋警部補の射撃で締めくくる。
中屋警部補は、少年や野球と縁があるのか、かつての主役作品にもあった。
269話「少年とギャングの自転車レース」や、195話「プロ野球殺人事件」などである。
7.吹雪刑事の活躍
中屋警部補の1人主役であり、吹雪刑事の出演は4度あるが、
いわゆる活躍はほとんどない。
1)Gメン部屋
出演シーンが2度あるがセリフなし。
事件に絡む、黒木警視正らの見解を聞いている場面である。
2)地下取調室
容疑者を取調べ中に、吹雪刑事は事件現場に落ちていた証拠物件を
立花警部に届ける。
このシーンの、スーツ姿の吹雪刑事は実に凛々しく美しい。
3)事件解決時
事件解決時に、中屋警部補、立花警部らとともに登場。
杏子のクールな美貌で締めくくる。