305話 ノーパン喫茶殺人事件

(注:ストーリーが判らないように解説していますが、ネタバレの内容は含んでいます)

<予告編のナレーション>

ハードボイルドGメン75 次の活躍は、

ノーパン喫茶のウエイトレス。
彼女は3年前、家出してGメンに補導された田舎娘だ。
今は同棲している店のバーテンとの結婚を夢見ている。

ある夜、その店の事務所に侵入した三人組の強盗がマスターを刺し、
彼女を見守ったGメンの温情は、返って彼女を不幸にしたのだろうか?

そして、バーテンが何者かに殺された。
彼女の夢は千々に砕かれていく。

次は、「ノーパン喫茶殺人事件」

     <監督:山口和彦、 脚本:西島 大、高久 進>

1.作品について

吹雪編もいよいよ53話目。
今回は、南雲警視の主役作品であるが、最終編でもあり、吹雪刑事らよりも
1話早く降板する。
ストーリーが、降板ドラマになっていないのが残念である。

喫茶店のウエイトレス 水野礼子の、危機を救ったのは南雲警視だった。
じつは3年前に出会った少女だったが、南雲警視は最初わからなかった。
その職場には難色を示したが、礼子が自分の夢のために頑張っている姿に、南雲警視もそれ以上は何も言わなかった。

そして礼子の知らないところで、働いていた喫茶店で事件が進行する。
Gメンからは、吹雪刑事や田口刑事らGメンも捜査に協力する。

出番は多くはないが、梅津栄さん(右上の画像)や早崎文司さん(右下の画像)も出演されており、脇役でいい味を出されている。

80年度では3話目のリメイク作品。 184話「警官嫌い」のリメイクである。

南雲警視は久々の出演で、286話「スカート切り裂き魔」以来、じつに19話ぶりであるが
6人の活躍により、気付きにくいかも知れない。
南雲警視が久しぶりなのは、KAJITA巡査さんによると、当時他のドラマとの掛け持ちとなった為との事である。

2.ウエイトレス 水野礼子

スタイル喫茶の店ビスクドール。 いわゆるノーパン喫茶である。
喫茶店の店長は、早崎文司さんが演じている。

田舎から出てきた少女。演じているのは児島美ゆきさん。
 その職場に疑問はあるが自らの夢を描き、その実現の為に懸命に生きている。
南雲警視の行為をずっと忘れていない、恩義を知る娘である。

 礼子の節約への矛盾
  ラーメンが伸びたからと言って、作り直すだろうか?
  直前には、外食もタクシーも駄目というほど、節約していたのに、
  丼に一杯あるラーメンを捨てることは、私には出来ない。


3.礼子の婚約者 古川誠一

南雲警視に不思議な反応を見せる男は古川誠一(下塚誠さん)。

水野礼子とは一緒に住んでいるが、なぜか警官に神経を尖らしている。
それが南雲警視の不審を生む。

下塚誠さんは、南雲警視が主役の283話「オホーツク海の幽霊船」でも
出演されており印象的だった。

4.強盗犯人

見ていた雑誌を、パッと下ろした瞬間に、"誰でもが"この2人は怪しいと判る。−−適役をきちんと選んでいるものだ。

その仕草も、意識的に芝居がかっている演出である。
怖いよりも、面白いと感じてしまった場面。

いかにも悪人で、この男もやはり周囲に神経を尖らしている。

5.南雲警視、Gメンたちの活躍

南雲警視は、3年前に田舎から出てきて補導していた少女が、成長して上京し自分の夢をもって懸命に働いているのを知り、南雲警視は嬉しかった。

しかし礼子の恋人 古川誠一は、礼子への南雲警視の気遣いに対し、不思議な反応をする。
その仕草に南雲警視は不穏なものを感じ、Gメンに捜査協力を依頼した、

最後の締めくくりは今回も南雲警視の射撃で、田口・中屋と続き3話連続での射撃の締めとなる。 降板となる中屋・南雲の為に、最後のカッコいい場面を用意したような気もする。

田口刑事は吹雪刑事との共同捜査により、指紋の採取、張り込み、聞き込み等を行なっている。

中屋警部補と島谷刑事は最後の方まで出番がなかったが、最後の格闘場面ではこの2人が活躍する。
島谷刑事の回し蹴りは素晴らしいし、中屋警部補の柔道技はこれまででも一番鮮やかだったと思う。

ところで、
冒頭で南雲警視と並んでいた女性は、南雲警視の秘書なのだろうか、それとも家族なのだろうか?
あのシーンだけだから判らないが、雰囲気はそのようだった。

6.吹雪刑事の活躍

吹雪刑事は主役ではないが、かなりの出番と活躍がある。

吹雪刑事は、田口刑事との共同捜査も多いが、南雲警視との共同捜査も多い。 南雲警視からの要請が多かったように思う。 いずれも杏子の主役ではないが、印象的な作品が多かった。

1)捜査協力

南雲警視からの捜査要請に応え、吹雪刑事と田口刑事は出動する。
喫茶店に乗り込む田口刑事。
まさか、あの喫茶店には、吹雪刑事は入れないだろう。(笑)


2)鑑識

ある物品の指紋を照合するため、杏子は鑑識に行き、データと照合する。
果たして、前科はあったのか?

3)張り込み

吹雪杏子が、田口刑事と張り込みをするのは以前もあったが、今回も車の中で張り込みを行なう。

4)事件発生

事件現場に駆けつけた、吹雪刑事は聞き込みにより、逃げた男の中に
古川誠一に似た男がいたことを突き止め、立花警部・南雲警視らに報告する。

5)礼子のアパートへ

吹雪刑事は南雲警視とともに、水野礼子のアパートに乗り込む。
礼子への毅然とした話し方。 やはり吹雪刑事はカッコいいと感じる。

6)ラスト

犯人たちを捕えるシーンで登場するが、特に活躍はない。






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