考証学追記 11〜15

考証学追記 11




 昨日、幕張メッセで開催されたワンダーフェスティバルに行ってきた。

TRCは今回もディーラーとして参加させて頂き、『仮面ライダー ディケイド』
の主人公が劇中で使用しているカメラのストラップ他のオリジナル・グッズを
頒布した。

一年ぶりのワンフェスは会場が東京ビッグサイトから幕張へ移動したにも拘
らず、参加ディーラーの数も来場者数も普段とそう変化はなかったように思
われる。
しかし、内容は明らかに過去よりも見劣りがした。
『仮面ライダー』関連に限って言えば、注目すべき作品はTOY's星矢のエク
シードギルス(原型・三枝徹氏)が唯一だったように思われる。
他にもショッカー怪人のレジン製キットを販売するディーラーが複数見られ
たが、残念ながら基本的な人体の造形がまったく出来ていなかった。

全般的に特撮モノは番組数の減少もあって低調で今後もあまり期待はでき
ないだろうが、先日製作が発表された3D映画『牙狼』には大いに期待をし
たい。
本当は、雨宮監督には『仮面ライダー』を作って頂きたいのだが、・・・



考証学追記 12



 昨日、鈴鹿から帰還したムスタング代表から興味深い情報を伺った。

#144 RX?氏による検証では、旧サイクロン号のベース車として使用さ
れていたのは、これまで言われていたスズキT20ではなくT200だと言うの
である。
私は20と200がどう違うのかも判らないので、200が正解ならば訂正をさ
せて頂きたい。
私は室町レーシンググループでサイクロン号のスタントをなさっていた大橋
道然(春雄)氏が20と仰っていたので20だと思い込んでいただけである。
部材の検証など試みたこともなかった。

サイクロン号の話題のついでに書かせてもらうが、このところ『仮面ライダ
ー』のファンとしては著名な某氏が版権元に無断で新サイクロン号のレプリ
カを何台も作製し販売していると耳にした。
最近のネットオークションで落札されたものは54万だったとか、過去に最高
額で売れたのは200万以上だったとか、様々に聞いた。
この場では実名は伏すが、ヤフーのIDによって出品者が誰であるかはバレ
バレなのである。
私も偶然、そのうちの1台の実物を見たことがあるが、残念ながら感心でき
るような出来栄えではなかった。

一方で少し前だが、藤岡弘、氏のサイン・カードを偽造してヤフー・オークシ
ョンで荒稼ぎをしたSの場合も、一見してフェイクだと判別可能な稚拙な偽
サインだった。
数千円を支払ってSのサイン・カードを購入した方々は本当にお気の毒であ
る。
何れにせよ、こうした行為が不正である事は明らかであるし、権利者も権利
を侵害されたと認識するならば提訴をするべきだろう。

恥知らずな連中には退場を促すべきである。



考証学追記 13



 今朝のTVで、何処かの局のワイドショーが昨日の豊洲でのイベントを報じ
ていた。 
時節柄、選挙戦をネタにした演出ばかりが話題にされていたのだが、肝心
の映画については私の周囲に聞く限り、評判は芳しくない。

私個人は試写を見ていないし見るつもりもないのでコメントは控えるが、昭
和の作品の方がより低予算だった事だけは言えるだろう。
それでも『仮面ライダー対ショッカー』は、いま見ても充分に楽しめる。

『仮面ライダー対ショッカー』は昭和47年3月18日、つまり放映第51話「石
怪人ユニコルノス対ダブルライダーキック」の放送日当日に公開された。
本来ならば『仮面ライダー』がメインタイトルであり「仮面ライダー対ショッカ
ー」はTVシリーズ同様にサブタイトルであるのだが、現在ではそれが一般
に作品タイトルとして定着してしまっている。
平山先生に伺ったところではテレビシリーズが放映中だった事もあり、劇場
用オリジナル作品の制作に当たっては大阪毎日放送の理解を得るのに随
分と腐心をなされたという。
TVシリーズと並行して制作されたにも拘らず、山田監督が僅か3日でクラン
クアップしたというのにも驚愕するが、当時の児童としては本郷猛が初めて
変身ポーズを披露したのを見て驚嘆したものだった。

この話題に関しては、映画を見ていなかった児童はTVシリーズの放映第5
3話まで2週間の遅れを取ったのである。
藤岡弘、氏に伺った話では、変身ポーズは当日の撮影現場で頭(かしら)、
即ち高橋一俊氏から支持されて初めて演技をなさったのだと言う。

旧2号の衣裳を着けた中村文弥氏が新1号の変身ポーズを決めているス
チールも残されているが、おそらくこの時にお手本を示されたのだろう。



考証学追記 14



 これは『仮面ライダー』に限った話ではないが、番組として放映された話数
の通りに撮影が行なわれていた訳ではない。 

逆の言い方をすれば、撮影された順番に放送されていた訳ではない。
一般に、これらは制作話数と放映話数として区別されているのだが、実際
には制作話数は台本No.をそのまま当てはめている場合が多い。つまり、
必ずしも正確な撮影順であるとは言い難いのである。

劇場版『仮面ライダー』即ち「仮面ライダー対ショッカー」が撮影されていた
昭和47年2月上旬、同時期にTVシリーズの放映第46話である「対決!!
雪山怪人ベアーコンガー」も制作されていた事実はよく(?)知られている。
このベアーコンガー編は、放映話数は46番であり台本No.で言えば51番
となるのだが、しかし実際の制作話数は52番なのである。
では、台本No.52のギルガラス編の制作話数はどうなるのかと言えば、こ
れが51番となる。
こうした事実は本編の映像を検証してみなければ確認が出来ない部分であ
り、具体的にはギルガラスのショッカーアジトが旧アジトであるのに対し、ベ
アーコンガーのアジトには劇場版『仮面ライダー』のために新設された二階
建てのショッカーアジトが使用されている事実による。
つまり、台本No.51であり制作第52話である「対決!!雪山怪人ベアーコ
ンガー」は2月初旬に草津高原でロケを行い、驚くべき事に同月12日に放
映第46話としてオン・エアーされた事になる。

因みに、制作第51話の監督は塚田正煕氏(監督デビュー作!)、制作第5
2話の監督は内田一作氏、劇場版『仮面ライダー』=「仮面ライダー対ショッ
カー」の監督は山田稔氏、もちろん、どの作品も一本撮りである。



考証学追記 15



 本郷猛が劇場版『仮面ライダー』すなわち「仮面ライダー対ショッカー」で初
めて見せた変身ポーズだが、実は旧1号編において既に同様のポーズが
披露されている。

お台場でのエンディングの冒頭で中村文弥氏が演じる旧1号がこのポーズ
を決めて見せるし、講談社による第1回の撮影会でも回転バックを背景にし
て藤岡弘、氏の旧1号がこのポーズを取っている。

関連書籍によっては藤岡氏が古武道のポーズを流用したものであると解説
されていたりもしたが、私も気になっていたので扶桑社のインタヴューの際、
藤岡氏に伺ってみた。

藤岡氏によると、回転バックの前でのポーズは古武道とは関係がない。
劇場版と新1号編以降の変身ポーズは大野剣友会の頭(かしら)・高橋一
俊氏の発案で、眠狂四郎の円月殺法と空手の型を合わせたものである。
そのようなお答えを頂いた。
そんな本郷猛=仮面ライダー1号の変身ポーズだが、次第に微妙ではある
が少しずつ変化して行く。近年では「らいだ〜」が取れてただ「変身!」と、
最初期の劇場版での掛け声が定着しているが、個人的には新宿歌舞伎町
の『面祭2』で拝見したのが最高の変身だった。
そういえばあの時は2号とV3も揃っての格別の変身だった。

そしてステージにはルリ子さんもいらっしゃったのだった!





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