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先日、当クラブの掲示板に某氏より或る書き込みを頂いた。
先月のワンダーフェスティバルにディーラーとして参加してショッカー怪人の
キットを販売なさっていた方らしいのだが、私がこの『考証学追記』で書いた 内容に反発なさっての事だった。
某氏は私に謝罪を要求なさっているが、もう一度、よくお考えになるべきだ
ろう。
某氏はご自身の作品を商品として一般に販売している以上、メーカーであり
プロなのである。
場合によっては批判的な批評に晒される事も覚悟しておくべきではなかっ
たか。
これがもしアマチュアの作品であったなら、例えばホビー誌への投稿作品で
あったなら、誰も否定的な批評など書いたりはしないだろう。
何故なら彼はアマチュアなのだから。
尤、批評などというものはスタンダードの設定次第で褒めようと思えばいくら
でも褒める事はできるし、全否定しようとするならそれもまた可能なのであ る。
私か書いた文章など気になさらずに、今後も力作をお造りになって頂きた
い。
いまどきショッカー怪人のレジン・キットをワンフェスで販売しているという、
単純にその事だけでも某氏の『仮面ライダー』という作品への愛情がホンモ ノだと私には理解できる。
冬のワンフェスでは楽しい話ができるよう、希んでいます。
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村枝賢一先生の『新仮面ライダーSPIRITS』第2話を拝読した。
今回も60ページ一挙掲載の力作だった。
タイトルバックとなっている旧サイクロン号の見開きアップだけでも村枝先生
の熱意が伝わってくる。
『新仮面ライダーSPIRITS』はオリジナルTVシリーズ『仮面ライダー』のSPI
RITSを正統に継承する作品なのだ。
今回の掲載分ではTVシリーズの第11話~第14話が物語のベースとされ
ている。
つまり、対ゲバコンドル戦からトカゲロンと再生怪人軍団との決戦、そしてサ
ボテグロンの日本支部着任以前の時期が描かれている。
見所は数有るが、緑川ルリ子の登場シーンが多いのも個人的には嬉しいと
ころだ。
ルリ子さんのTVシリーズ本編での台詞を巧みに引用してあって楽しめる。
旧1号編のショッカー日本支部を死神博士が指揮しているのに若干の違和
感もあるが、村枝先生ならではのお考えがあるのだろう。
来月号の第3話では仮面ライダーに改造された一文字隼人の救出が描か
れる筈なのだが、果たして本郷と一文字が一戦交えるのか!?
期待したい。
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『仮面ライダー THE FIRST』の公開時の事だった。
同作品について平山先生とお話をさせて頂いた時に、私が天本英世氏の
所謂デジタル出演についてお知らせしたところ、「そんな事が出来るのな ら、ぼくは昔の藤岡くんや佐々木くんで映画をつくってほしかったなぁ、」平 山先生はそのように仰られたのだった。
もちろん、私の説明不足から『THE FIRST』での死神博士のCGを過大評
価なさってのご発言だが、平山先生のお気持ちは私には充分に理解する 事ができた。
もちろん、黄川田氏も高野氏も好青年で立派に大役を果たされたと思って
いるが、やはり私の世代では、本郷猛は藤岡さんであり、一文字隼人は 佐々木さんなのである。
そうした『仮面ライダー』原理主義的なファンにとっては、村枝賢一先生の
『新仮面ライダーSPIRITS』は圧倒的に共感できるし、それぞれの登場人 物がTV版『仮面ライダー』のオリジナル・キャストをモデルとして描かれてい る事が何よりも嬉しいのである。
月刊少年マガジン9月号には村枝賢一先生と井上正大さんの特別対談も
掲載されていて、その一部を引用させて頂くと、
村枝「自分が扱ってるのは昭和ライダーじゃないですか。平成ファンと昭和
ファンがいる中で、平成がテレビで頑張ってるから、俺の仕事は昭和ライダ ー(ファン)の溜飲を下げるというか(後略)」
お陰様で私も溜飲を下げさせて頂いた。
それにしても、村枝先生は緑川ルリ子をとても丁寧に描いていらっしゃる。
今月号をお読みになったルリ子さんが、とってもかわいいルリ子で感激し
た、そう仰っていた。 ![]()
お台場へ行ってガンダムを見てきた。
そのスケールにも拘らず精緻な造形に驚かされたが、それよりも私が驚い
たのは、お台場から見渡せる東京湾岸の変貌だった。
『仮面ライダー』にとってお台場は所縁の浅からぬ土地である。
旧1号編のオープニング・エンディングは勿論、本編においてもしばしばロ
ケ地として使用されており、サイクロン号(変形前)を走らせる本郷猛の背景 にも対岸のビルや東京タワーを望んだが、その風景は呆れるほど大きく様 変わりしていた。
38年の歳月とはこういう事なのだろう。
改めて言うまでもなく、『仮面ライダー』の制作が始まったのは1970年代初
頭の日本である。
高度成長、70年安保、公害、沖縄返還、・・・『仮面ライダー』の時代を読み
解くキーワードは幾つもあるが、作品自体である16mmフィルムには、好 むと好まざるに拘らず時代のディテールがそのままに記録されている。
私の知る『仮面ライダー』とは、ほとんど40年前の昔話だったのである。
来年、2010年は1971年とカレンダーが一致するそうである。
当クラブの掲示板に、つちのこ氏から2010年のカレンダー『菅原芳人×仮
面ライダー』のご案内を頂いて気がついた。
それならば2月7日は日曜日であり、4月3日は土曜日である。『仮面ライダ
ー』は日曜日も関係なくクランクインが行なわれ、4月3日の夜7時半から第 1話が放映されたのである。
他にも『仮面ライダー』の記念日は数有るが、原点を示すものとしてこのふ
たつは特別な日付だと言えるだろう。
2008年の4月3日、平山亨先生はルリ子さんと下北沢でお会いになられ
ていた。
たまたまその日だったのだが、4月3日だとお気づきになると『仮面ライダ
ー』の記念日だと仰って、お喜びになっていた。
私はしばしばルリ子さんに撮影当時のお話を伺うが、まるで前世のことみた
い、と微笑して仰る。 ![]()
当クラブのホームページのコンテンツのひとつである『造形バンク』に関し
ては、しばしば誤解されて困るのだが私個人の為にあるのではない。
TRCのメンバーであればどなたでも仮面ライダー関連のフィギュア等の造
形物を投稿できる場だと、私はそう理解している。
私の場合、仕事柄TRCのメンバーの方々から製作のご依頼を受けたもの
のうち、ホームページへの掲載の了解を頂いたものだけを本部へ送ってあ る。
本当はゴジラやウルトラマンの怪獣の方が仕事は多いのだが、ご存じの通
り当クラブは仮面ライダー専門なのでそれに従っているのだ。
そう言えば、当クラブの代表であるムスタング氏が死神博士のガレージキッ
トを製作中であると伺った。
現在は絶版で入手困難だが、以前ボークスから発売されていたレジン製の
好キットなのである。
完成したら『造形バンク』にアップしてくださるそうなので皆さんも楽しみに、
お待ち頂きたい。
ボークス製のキットでは死神博士は背もたれにショッカーの鷲のシンボル
の意匠がある立派な椅子に腰掛けているのだが(立ちポーズのキットもあ るが、そちらはLDボックスの購入特典であり非売品だった)、劇中で死神博 士が座っているのは何故か車椅子なのである。
しかし、その設定自体も毎日放送からのクレームによって破棄された。
死神博士に関しては、本来ならばギリザメスに変身する筈だったのが或る
事情によってイカデビルに変更を余儀なくされたという有名なエピソードが ある。
イカデビルも悪くはないが、大幹部の正体としてはギリザメスの方が相応し
かった、というのが大方の見解だろう。
或る事情に関しては、また改めて別項にて。
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