新・仮面ライダー考証学 3


『仮面ライダー』の所謂デジタル版のマスターについては、その色彩が余り
にも不自然だったのでこの十年ストレスが溜まっていたが、昨年新たにリマ
スターされたハイビジョン版『仮面ライダー』の映像は本当に素晴らしい。
ふたつを比べるとその違いに驚くが、いずれ発売されるだろうブルーレイ用
のマスターとしてこのハイビジョン版が使われるだろう事は想像に難くない。
そのときはまたジュラルミン・ケースのBOXセットとして発売となるのだろう
か?

何れにせよ、ハイビジョン版はデジタル版DVDを放棄して買い直す価値が
充分にある。百聞は一見に如かず。是非、御覧になってみて頂きたい。。

そのハイビジョン版を録画したDVDで、第1話をコマ送りしたり静止画にした
りしながら見ていたのだが 、これが実に面白かった。
Aパートで仮面ライダーが崖の上に初登場するシーンのアップでは、そのマ
スクの美しさに思わず静止画に見入ってしまった。
空は快晴の青空であり(この濃い青色の空が撮れるのは早朝である)小河
内ダムでのロケとしては3日目なのだが、マスク左側面の耳当ても健在で
ある。

つまり、このシーンの撮影は蜘蛛男や戦闘員との戦闘シーンに先立って行
なわれていた事がわかる(耳当ての左側は戦闘シーンのアクションでクラッ
シャー下部が頻繁に外れ、そのボタンホックでの取り付けを容易にするた
めに故意に片側を取り外したものらしい。
その後、生田スタジオでの回転バックを背景とした講談社の特写の際にも
外されたままだった。
この耳当てに関しては三上氏によるデザイン画の段階では描かれておら
ず、粘土原型において初めて付加されている。
演技者の耳を保護する為のものか、単なるデザインとしてあったのかは不
明である)。

さらにラジオのアンテナを流用した触角アンテナのクローム・メッキにも剥が
れひとつ見られない。
当初は、その先端には左右共に円盤状の突起が揃って着いていた筈なの
だが、アクション・シーンでその片方の先端が破損したらしく右側の円盤が
無くなってしまう。
さらに1カットながら右側のアンテナ自体がマスク本体から抜け落ちて左側
1本になってしまっているカットもあった。

旧1号のFRP製Aタイプのマスクでは、当初はアンテナの根元の部分に金
属パイプが埋め込まれており、触角アンテナはそこに挿し込む方式となって
いた(画像は、アンテナ先端の円盤をはっきりと確認できるコマからの拡
大)。

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