新・仮面ライダー考証学 4


仮面ライダーの最初のマスク、即ち、旧1号のFRP製のAタイプ・マスクを実
際に造ったのは誰か?改めて確認をしておきたい。

1993年に講談社から発行された『仮面ライダー映画大全集』のP.120に
旧1号のマスクのレプリカが紹介されている。
記述を読むと「(仮面ライダー旧1号のマスクは)石ノ森章太郎氏のデザイン
をもとに、エキスプロダクションの三上陸男氏が粘土原型を、製作・仕上げ
を現社長の八木功氏が行なっている」「写真(添付画像)は、1992年夏に
開催された第1回仮面ライダーワールドに展示するため、八木功氏が当時
型から抜いていた唯一のマスクを仕上げたもの。
ベースカラーも、当時使用したものが作業所に残っていたため、奇跡的に
再現できた。
これは、第1話の初日撮影のものに合わせてある。」と記されている。

本当か?

八木功氏がエキス・プロダクションのスタッフとして『仮面ライダー』に参加し
た経緯については、高橋章氏に呼ばれたからだと御自身が述べられてい
る。『仮面ライダー大全』(双葉社刊)収録のインタヴューでもその経緯を述
べていらっしゃるのだが、私はいくつかその内容に疑問を抱いた。

八木氏によれば、御自身が高橋氏の誘いを受けてエキスプロに入社したの
は1970年12月頃で『仮面ライダー』の制作が決まる以前だったと語られ
ている。
しかし高橋章氏によれば、高橋氏が三上陸男氏の依頼を受けて『仮面ライ
ダー』に正式に参加したのは、制作第3話「人喰いサラセニアン」からだと仰
っている。

つまり、その高橋氏から誘われて『仮面ライダー』に参加した筈の八木氏が
旧1号のFRP製Aタイプのマスクを仕上げたという説明は矛盾する。
この件はやはり三上陸男氏への取材記事(講談社オフィシャル・ファイル・
マガジン仮面ライダー6)にあるように「仮面ライダーのマスク、スーツ、ベル
トの造形は同僚の藤崎幸雄に依頼した」という方が信憑性が高いように思
われる。。

残念ながら、この件について藤崎氏に取材をした記事を私はこれまで目に
した事がない。
機会があるなら、是非ともお話を伺ってみたいものである



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