第1話の16mmフィルムの本編と関連スチールからFRP製のAタイプ・マ
スクの変遷を検証したい。
古いものから、別の言い方をするならば完成直後の真新しい状態のものか
ら順に並べてオーダーを確定させたいと思う。
まずは毎日放送の番宣スチールから、小河内ダムでの撮影二日目(曇り)
の駐車場でのカラースチールである(画像1)。
ライダーが真っ正面を向いている別カット(画像2)もあるのだが、そちらは
昭和46年の少年マガジン18号に掲載された毎日放送の番宣広告で使用 されている。(画像1)のオリジナル・フレームでは左端にもう一人誰かスタッ フらしい人物が写っているのだが、書籍等では通常トリミングされて使用さ れる場合がほとんどである。
おそらく、この2枚こそが完成直後のマスクをカラーで記録したものであり、
その意味でたいへん貴重なスチールだと言えるだろう。
触角アンテナの先端には円盤状の突起が左右共に健在である(ように私に
は見える。特に画像2)。
もちろん耳当て部分も両側に揃ってある。
マフラーもピンと張っていて、新品の布地を結んだばかりように見える。
ところで、やはり毎日放送の番宣スチールであるのだが、小河内ダムでの
撮影二日目に記録された旧1号の単体スチールの一連がある。
腕組みをして立っている仮面ライダーのスチール(画像3)を含む一連だ
が、一応、これらのオーダーは二番目とした。
小河内ダムのロケに参加した竹本組一行は、ロケバスとトラックでまずはダ
ムの駐車場に乗り付けている。
背後の崖に何かのケーブルが張られている砂利道が何処なのか特定はさ
れていないが、いずれにしても駐車場からは移動して来なければならない。 こちらが先という可能性もない訳ではないのだが、ひとまず二番目としてお く。
この腕組みのスチールのマスク部分をアップにしてみると、FRP製のクラッ
シャー下部の最初の状態がよくわかる(画像4)。
生田スタジオでの回転バックを背景とした講談社の特写の際には、右側に
あるギザギザの切れ込みの奥の部分が切り外されていた。
しかし、本来はこのように左右対称に造られていたのである。
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