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小河内ダムでのロケの三日目は快晴となり、クライマックスである仮面ライ
ダーと戦闘員との棒術での戦いでは本編・スチールともに鮮明な映像が残 された(画像1)。 ![]()
この際、マスク左側の耳当てが取り外された事に関しては前にも触れた
が、小河内ダムでのロケの終了直後に生田スタジオで行なわれた講談社・ 大島康嗣カメラマンによる特写の際にも、左の耳当ては補修される事なく外 されたままとなっている(画像2)。 ![]()
また、この時点で触角アンテナの先端の円盤状の突起部分は左右共に無
くなっている。
右のアンテナは根元に近いところでダメージを受けて僅かだが曲がり、本
来の状態を保っている左とは角度が違う。
さて、この講談社による回転バックを背景とした特写では仮面ライダー(本
郷猛)と変形前のサイクロン号、そして蜘蛛男のスチールが多数撮影され た。しかし、フルカウルの旧サイクロン号は登場していない。旧サイクロン号 はお台場でのオープニング・フィルム撮影中に破損したカウルを改修中だっ たので、変形前のサイクロン号で代用されたという事になっている。
所謂第1NGタイプから第2NGタイプへの改修が行なわれていたのである。
ここで講談社による特写とは別に、第1話の制作期間中に生田で撮影され
た有名なふたつの特写についても検証してみたい。
ひとつはコンクリートの防護壁前での仮面ライダー(本郷猛)と旧サイクロン
号(所謂第2NGタイプ)の特写、もうひとつは第2ステージ向かいの階段で の仮面ライダーと緑川ルリ子、蜘蛛男による特写である。もし本当に講談社 による特写の際に旧サイクロン号が改修中だったとすれば、コンクリート壁 前の第2NGタイプの特写は講談社よりも後でなければならない。
スチールをアップにしてマスクを確認してみると、第2NGタイプに乗車する
ライダーのマスクからは左側だけでなく右側の耳当ても取り外されて無くな っている(画像3)。 ![]()
講談社の特写に際して右側だけ耳当てを戻したなどという事は考えられ
ず、逆に、片方だけになっていた耳当てを取り去って両側とも無くしたとする 方が自然だろう。つまり、第2NGタイプの特写の方が講談社よりも後だとす る証拠のひとつになっている。
もう一方の階段の方の特写でも、耳当てはやはり両側とも無くなっているよ
うに見える(画像4)。つまり、階段での特写も講談社より後である。他に何 か手掛かりはないか? ![]()
確実なものではないが、仮面ライダーのマフラーの結び目も手掛かりのひと
つにはなるだろう。
第2NGタイプと階段の特写ではマフラーの結び目は同じ結び方に見えるの
だが、講談社の特写では明らかに結び方が異なっている。
この点、生田スタジオの外で変形前のサイクロン号に跨がっている仮面ライ
ダーのスチール(画像5)のマフラーの結び目は講談社の特写のときと同じ 結び方となっている。 ![]()
おそらく同じ日に撮影されたものだろう。整理してみると、小河内ダムでのロ
ケが終了した後、お台場でオープニングの撮影が行なわれて旧サイクロン 号のカウルのフロント部分が破損した。その後、生田スタジオで講談社の特 写が行なわれていた時期にカウルの改修が行なわれ、所謂第2NGタイプ として修理は完了し、コンクリートの防護壁前での特写が行なわれた。
おそらく同じ日に第2ステージの向かいの階段での特写も行なわれたのだ
ろう。
一先ずは、このように整理しておく。
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