新・仮面ライダー考証学 23

これまで第1話に関してのエキス・プロダクションのメモを手がかりに検証を
してきたが、第2話「恐怖蝙蝠男」にも同様のメモがある(画像1)。

   画像1

これを第1話のメモ(新考証学20を参照)と比較してみると明らかに筆跡が
異なっている。
それはともかく、内容としては「こうもり男」が「15日中」、「単車変化」が「14
日中」、「武器(手裏剣)」が「15日中」、「武器(剣)」が「17日中」、「牙」が
「16日中」、以上である。
その下には第3話として「植物人間」が「16日中」とある。これは言うまでも
なくサラセニアンだが、造形のスケジュールが重複している事からも、折田
監督による第2話と第3話(制作第3話)が2本撮りとして進行された事実が
裏付けられている。
また、このスケジュール通りなら第2話の撮影は2月15日からスタートした
事になり、それは即ち、第1話の撮影が2月14日までに終了する見込みだ
った事を意味する。
これは平山亨先生の台本に記されてあったメモの日程とも符合する。
つまり、第1話の撮影期間は2月7日〜13日とされ、14日は藤岡弘、氏に
よる主題歌のレコーディングに当てられていたのである。

さて、気になるのは「14日中」と予定された「単車変化」である。
勿論これは仮面ライダーの変身シーンで見ることが出来るサイクロン号の
変形を指している。
しかし、それは第1話のメモにおいても「オートバイ(変化を見せる)」として
「12日中」に仕上げることが予定されていた筈である。
単にそれが遅れたのであれば何故、それを第2話に属している仕事として
改めて記載する必要があったのか?
そうではなく第1話とはまた別に、「単車」を「変化」させる為の作業が予定さ
れていたのではあるまいか? 
もう一点、気になるのは「武器(手裏剣)」という記載である。第2話において
戦闘員による「武器(剣)」の使用ならあるものの(手裏剣)の使用など見ら
れない。
もしかしたら折田監督の演出が、実際の撮影段階において変わったのでは
ないか? 
同様に「単車変化」も第1話での変身シーンに使用する為のモノの仕上がり
が遅れたのではなく、本来は第2話でもサイクロン号を使った変身を第1話
とは別に演出する予定があったのではあるまいか?
そうでなければ、第2話では2回ある変身シーンがその2回共マンションの
ベランダから飛び降りての変身とは余りにも芸が無い。
これはおそらく、第2NGタイプとなって尚、走行に支障があったサイクロン
号のカウル下部を切除する作業が行なわれていた為に、サイクロン号を使
いたくとも使えなかったからではあるまいか?

   画像2

因みに「武器(手裏剣)」とは製作第4話で女戦闘員が使用する武器(画像
)として流用されたのだと思われる。

そして新たなる「単車変化」は、制作第5話「怪異!蜂女」で見ることが出来
るのだ。



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