第1話では特写スチールしか撮影できなかった講談社・大島康嗣カメラマ
ンだが、第2話「恐怖蝙蝠男」からは『仮面ライダー』の本編撮影に同行して 本格的なスチール撮りが行なわれた。
まず、仮面ライダーや怪人が登場しないにも拘らずAパートでのオートバイ・
レースのシーン(川崎市麻生区栗平の宅地造成地)では、本郷猛、立花藤 兵衛、山野美穂(小林千枝)、蝙蝠男の人間体(演者が佐野房信氏かは不 詳)を多数撮影し、更に生田スタジオ(マンション・ニューランドの屋内のセッ ト)において本郷猛の単体スチール(画像1〜3)、蝙蝠男の毒牙にかかっ た緑川ルリ子(画像4〜6)、マンション住人と藤兵衛、ルリ子を絡めての本 郷対蝙蝠男、以上のスチールが35mmのカラー・ポジにて多数記録されて いる。
ただ、仮面ライダー対蝙蝠男の決戦シーンは夜間の設定であったので(一
部は実際に夜間のマンション屋上で撮影が行なわれたが、大半はスタジオ の壁に暗幕を張ってのセットでの撮影)、後日に改めて制作第5話撮影時 におばけマンションで特写が行なわれた(ライダー、ルリ子、蝙蝠男)。
大島カメラマンの場合、スチールの発注元が児童誌であったせいもあり被
写体としては仮面ライダーと怪人に主眼が置かれていたが、意外な事に撮 影現場のメイキング・スチールも数多く残されている。
(画像4)は照明が上げられた撮影合間の1枚。(画像5)はライティングを
決めたリハーサル。(画像6)が本番テイクである。
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