新・仮面ライダー考証学 34

 館山ロケから生田へ戻って、1971年3月2日、或いは3日には毎日放送
による取材とスチール撮影が行なわれている。

   画像1

画像1)は、第1ステージと第2ステージの間にあったスタッフルーム2階
の控え室で取材を受けている藤岡弘、氏、真樹千恵子さん、島田陽子さ
ん。
   画像2

場所を移して、(画像2)は生田スタジオ裏手の空き地でのフォトセッション
の1枚(草むらに立つライダーの単体スチールを含め、少なくとも6枚を確
認)である。さそり男のスタジオの壁を背景にした単体スチールの一連もこ
の時の撮影だと思われる。また、この時点で怪人の衣裳のストックは蜘蛛
男、蝙蝠男、サラセニアンの3体であり、それぞれの単体スチールがスタジ
オ内の壁を背景に写された。特に蜘蛛男は、最近では書籍等でもまったく
使用される事のない珍しいものである(画像3)。

   画像3

さらに画面中央に旧サイクロン号を置いて、仮面ライダー、本郷猛、緑川ル
リ子、野原ひろみが出演しての一連のスチール撮影が行なわれた(画像4
〜5。少なくとも6カットを確認)。

   画像4

中でも(画像4)は本郷猛と緑川ルリ子のツーショットを記録した貴重な1枚
なのだが(他には大阪MBSの駐車場での2枚があるのみ)、何故か書籍
等で使用される事がほとんどない。

   画像5

毎日放送の番組宣伝用の葉書に使用されているスチール(藤岡氏がライダ
ーのマスクを着用)も、この時のものである。
それにしても、床にはベニヤ板が敷いたあるだけであり、背後の壁も実は
ベニヤ板を白く塗っただけのものである(当時の生田スタジオの窮状を物語
っている)。
この一連のスチールはトリミングをしないと画面の向かって右端に非常に目
立つ汚れがあるのだが、これはフィルムやプリント自体の汚れではなく、ベ
ニヤ板に塗ってあるペンキの塗りむらである。

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