カレンダーを見ていて気づいたが、奇遇にも今年は昭和46年と日付と曜
日の配列が同一であるようだ。
即ち、4月3日は土曜日であり、以降、考証にあたっても何かと便利なカレ
ンダーとなっている。
昭和46年4月28日(水)、『仮面ライダー』制作打ち合せ会議が行なわれ
た時点において第4話「人喰いサラセ二アン」までが放映済みであり、撮影 済みのストックとしてはヤモゲラスの第12話までの8本しかなかったという 事になる。
そのような状況で、差し当たっての第14話をどうするか、と話し合われたの
がこの日の会議だった。
議事録を読む限りサボテグロンの前後編の脚本は脱稿どころか、未だまっ
たくの手付かずであり、『仮面ライダー』の制作現場は停滞を余儀なくされて いたのである。
唯一の決定事項としては、藤岡弘、氏の代役として佐々木剛氏が出演する
こと。
一文字隼人という役名も4月30日には決定されていたようである。
その他、具体的に重要な提案を見てみると、まず、折田監督から仮面ライ
ダーのコスチュームを明るい色感にする旨の発言がなされている。
平山亨先生からは後年のダブルライダー編を先取りするような次のような
発言があり、
平山「(前略)例えば仮面ライダー1号が敵の根拠地に乗りこんで2号化さ
れつつある佐々木君を助けて改造人間の2号を襲名させるなど・・・・」
先頃、村枝賢一先生が新スピリッツで描かれたのはまさしくこの平山案そ
のものである。
さらに立花レーシングクラブやライダーガールズの名称も平山先生の御発
言の中で提出されており、周知の通り作中に生かされた。
2号ライダーの変身ベルトにシャッターをつけて変身に明確な意志を提示す
るよう決定がなされたのもこの会議での事である。
こうして昭和46年4月28日の会議において、仮面ライダー2号=一文字隼
人の登場が決定された。
撮影現場では、岡田勝氏演じる第1の仮面ライダーが、トカゲロン率いる1
0体の再生改造人間たちと死闘を繰り広げていた。
(画像1)はホンダのモトクロス場で怪人軍団と対決する岡田ライダー。
マスクはBタイプで、大阪ロケの後にメンテナンスを受けて再塗装されたも
のである。
また、スーツの上着も岡田氏用にコンバーター・ラングの短いものが用意さ
れた。
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また、この時期、バンダイから発売される事になるプラモデルのパッケージ・
イラストの資料として小松崎茂氏に提供された一連のスチールのうち、仮面 ライダーはこの岡田氏用の衣裳とBタイプ・マスクが組み合わされている (画像2〜6)。
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