１９７１年４月２８日の制作打ち合せ会議において仮面ライダー２号につい
てのコンセンサスを得た平山亨プロデューサーは、『新仮面ライダーの設定
について』という以下のようなメモを残していらっしゃる。

新仮面ライダーの設定について

仮面ライダー２号はフリーランサー報道カメラマンの一文字隼人です。

一文字隼人は公認レースにこそ出たことはありませんがオートバイレーサ
ーとしても一流の腕をもっています。

一文字隼人は又柔道空手の名手です。

一文字隼人はその素質を見こまれてショッカーに誘拐されて改造人間にさ
れたのです。

ショッカーは一文字隼人を改造してより強力な仮面ライダー２号を造り、こ
れで仮面ライダー本郷猛を倒そうと計画したのです。

仮面ライダー本郷猛はその計画を探知してショッカー大基地に潜入し、仮
面ライダー２号の脳改造計画直前にこれを救出します。

救出された一文字隼人は本郷猛の義に感じ、ひそかに協力をちかって立花
達のところへやって来ます。

ショッカー組織の根はヨーロッパにあることを知った本郷猛は隼人に日本の
守りをゆだねて空路旅立ちます。

ライダーが本郷猛とは知らぬルリ子はしかし本郷が受けた旅券の書類の一
部から彼のヨーロッパ行きを知りすべてを投げ打って彼のあとを追いまし
た。

仮面ライダー一文字隼人は本郷猛と同じく昆虫人間です。

人間に教信（原文ママ）する脚力筋力を持ちライダーキック、ライダージャン
プの威力をもっています。

風の力でエネルギーを蓄え仮面ライダーに変身します。

彼の変身を知っているのは藤兵衛と滝だけです。

以上が平山亨先生によるメモである。

残念ながら、１号ライダーがショッカー基地から２号を救出する場面は伊上
氏によって脚本から割愛された。緑川ルリ子の渡欧についての説明も一文
字隼人の台詞として処理されている。

（画像１）は、制作第１４・１５話のサボテグロン編に登場した仮面ライダー第
２号。これが２号ライダーとして最初に造られたのコスチュームであり、マス
クは旧１号のＡタイプのリペイント、マスク中央のラインは白色である。

撮影場所は伊豆サボテン公園のヒドラ像の脇の広場で、このときは岡田勝
氏が衣裳を着けている。

毎日放送によるスチールである。

（画像２）は、制作第１６・１７話のキノコモルグ編の撮影直前に完成した２
号ライダーの第２のコスチューム。

マスクは旧１号のＢタイプをリペイントしたもので中央のラインは銀色。

ベルトも旧１号の最初のものをリメイクしたものである。

このスチールは毎日放送ではなく朝日ソノラマによる生田スタジオ裏手での
特写である。演技者が誰か、確認できていない。