新・仮面ライダー考証学 48

前回に引き続いて平山亨プロデューサーによる『テレビ番組企画書・仮面ラ
イダー』から引用する。

仮面という主題を盛り込む理由は

(1)仮面は人間の潜在欲望の現れ
仮面というものは、それをつけることによって、一つの人格が、別の人格に
生まれ変ることを意味します。
仮面によって生れた人間が日頃の規制を破り、我々の悩みを解決してくれ
るというのは現代のカタルシスです。

(2)仮面のもつ興味の一つは神秘性
当然、その仮面の下には、どのような顔が隠されているかという興味から、
未知の者に未知の力を期待する作用が働くのです。

(3)仮面の主人公は視聴者の怒りの変身
仮面の主人公は絶対に強くなくてはいけません。それは視聴者の怒りの代
表者だからです。
観客の怒りが爆発する時には徹底的に悪をやっつける快感があってこそ、
その本来の意義がはたせるわけです。

(4)仮面をかぶることで、空想的なことが妥当化され現実化される。この仮
面の特性を利して、超現実的な願望のストーリーを現実生活に結びつける
ようにしたのが仮面ドラマの特色です。

主人公の闘う相手は何か?
当面の敵ショッカーは全世界的な秘密結社です。ショッカーは世界制覇を
企んでいる悪の組織です。
ショッカーの首領は誰もその居所も顔すらも知りませんがその強烈なイメー
ジは印象としてショッカー一味の誰でもが怖れおののくような人物です。
首領は人間を無能な動物として軽べつしています。
人間はすべて自分のためにある。
その自分のために人間をすべて能率的な生物に改造する。
その改造された人間によって無駄のない奉仕を受ける。
そのような改造人間王国をつくるのが彼の理想なのです。
その組織はいまや世界各国にわたり、それぞれの国でそれぞれの民族の
特徴を生かして改造人間を作り留めつつあるのです。
我が日本でも何らかの特徴で目星をつけられた人物が次々と誘拐されて
行きます。
又、その財源として各国の悪質金融業者や悪質企業家と手を結んだり脅迫
したりして献金等を受けています。
その代償としてショッカーの戦闘要員の改造人間などを用心棒的に派遣し
たりするのです。
(新考証学49につづく)

画像1画像2

画像1〜2)は石ノ森章太郎氏によるデザイン画。

「みどり仮面グラスホッパー」「仮面ライダーホッパーキング」の時期に多数
描かれた中の比較的露出の少ないもの2枚。
この段階において、仮面ライダーのマスクに属する基本的な部材、即ち、C
アイやOシグナル、クラッシャー、超触角アンテナの形状が完成されつつあ
る。

トップへ
トップへ
戻る
戻る