前回に引き続き、『テレビ番組企画書・仮面ライダー』から引用する。
敵の怪人共は
蜘蛛男 ピラニアマン 半魚人 もぐら男 バイソンマン ゴリラマン ジャガ
ー男 さそり男 とかげ男 かまきり男
改造人間共は、それぞれの動物の特徴を生かした攻撃法をもっています。
彼等はショッカー独特のインカ療法的生化学等によって血液交換、サイボ
ーグ手術等を受けて造られた改造人間です。
制作に当たってはその衣裳や肉体の一部を造り物等によって誇張して行
き、又この行動はそれぞれの動物の特徴を生かしたものとし特撮的手法で 描きたいと思います。
この怪人共は怪獣物に於ける怪獣の役割をもっています。
そのキャラクターをより面白くより丁寧に造ることが作品にとって非常に重
要なポイントになるわけであります。
主人公の仲間は
本郷猛にはよき理解者であり協力者である立花権兵ヱが居ります。
権兵ヱは立花家(注・本郷家の誤りだろう)の先代から仕えていた家令で猛
の生まれた時から教育して来た老人であります。
口数少ない頑固型の権兵ヱは猛を吾子のように愛し、理解し、援助するの
です。
ある時は若い猛の欠点をカバーし愛の鞭をふるって困難にくじけようとする
猛を励ましたりもします。
権兵ヱ自身は、その老体に似合わず機敏な行動力を発揮したり合気道な
どを使って意外に強いのです。
どのような見せ場がつくられるか?
敵、ショッカーのはなつ刺客は現実ばなれした改造人間の怪人共である。
これとの闘いに打ちかつため十字仮面はオートバイの疾走、跳躍、スピンタ ーン、疾走する列車への飛び乗り飛び降り、等々超人的特撮アクションを 見せ場とします。
又、彼の出現の時は火薬を使用して、十字の火柱を現出し、相手の度胆を
抜いてしまうなど派手な手も使います。
主人公の魅力は?
仮面の魅力、スタイルのカッコよさに附随して
自己犠牲精神
謙譲
やさしさ
二枚目半的明るさ
体力智力の強さ
意志力、根性の強さ、等々
仮面のもつ一種の不気味さも魅力に通じます。
戦闘中など主人公に或程度の必要悪としての○○(判読不能)性をもたせ
ることが一つの魅力になります(例、タイガーマスク)。
(新考証学51につづく)
(画像1〜4)は、石ノ森章太郎氏による「みどり仮面グラスホッパー」以前
のデザイン画。
(画像2)は伊上氏による検討用の台本『連続テレビ映画・マスクライダーX
(仮題)』に対応したデザインだと思われる(左胸にXのマークが描かれてい る)。
(画像3〜4)は「仮面ライダースカルマン」のラフスケッチ。
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