新・仮面ライダー考証学 62

仮面ライダー・クロニクルズ(10)

1972年2月、〈仮面ライダーごっこ〉をしていた児童の死亡事故が発生。こ
の時期〈仮面ライダーごっこ〉によって児童がケガをしたとする報道が相次
いだ。
1972年2月15日、毎日新聞朝刊(大阪版)に〈仮面ライダーちびっ子プロ
デューサー〉の公募記事を掲載。
1972年3月、平山亨プロデューサーが「仮面ライダー第六クール以降の
延長に関する制作方針案」を執筆。地獄大使に続くショッカー第4の大幹部
〈千面鬼〉のアイディアが示される。
1972年3月27日、死神博士と地獄大使が共演する傑作「怪人ナマズギラ
ーの電気地獄」のクランクイン。制作第63話・放送第61話となる。
1972年4月6日、MBS千里放送センターで〈仮面ライダーこどもプロデュ
ーサー〉による第1回会合が開かれる。
1972年5月、NHKの連続ドラマ『赤ひげ』への出演に関し、東映との契約
問題から藤岡弘、氏が失踪。山田稔監督による劇場版第2作「仮面ライダ
ー対地獄大使」は撮影を中断。藤岡弘、氏の消息不明のまま予定を変更し
て制作第66話「ショッカー墓場よみがえる怪人たち」と制作第67話「ショッ
カー首領出現!!ライダー危し」が撮影される。本郷猛のアフレコは市川治
氏が吹き替えた。
1972年5月20日、第60話「怪奇フクロウ男の殺人レントゲン」がオン・エ
アーされる。今回より〈仮面ライダーごっこ〉による事故防止のためのスーパ
ーインポーズが流される。
1972年5月25日、MBS東京支社で講談社も参加しての制作会議。テレ
ビマガジンとのタイアップによるショッカー怪人の人気投票と少年仮面ライダ
ー隊の企画案が採択される。
平山亨プロデューサーが「仮面ライダー制作会議にもとづく今後の制作方
針について」を執筆。地獄大使の最期とショッカーに代わる敵組織ブラック
の登場を予告。
平山亨プロデューサーが「新方針による制作スケジュール」を執筆。1972
年7月〜1973年1月放送分として以下のトピックスが示される。新サイク
ロン号の投入、少年仮面ライダー隊の結成、恐怖ブラック(ゲルダム)の登
場、地獄大使の最期、ブラックショッカー(ゲルショッカー)結成、3号ライダ
ーの登場、クリスマスと正月の3人ライダー編。
失踪していた藤岡弘、氏が撮影に復帰。山田稔監督による劇場版「仮面ラ
イダー対地獄大使」の撮影再開と制作第68話「死神博士恐怖の正体」の
撮影開始。改造サイクロン号に替わって新サイクロン号を投入。死神博士
の正体はギリザメスからイカデビルに変更された。また、ギリザメス以降の
ショッカー怪人は強化怪人とされ、ベルトの鷲のマークが金色となる。
1972年6月、藤岡弘、氏のオフィシャル・ファンクラブである〈本郷猛の会〉
が発足。最盛期には会員数6万人に達した。
1972年7月上旬、〈関西地方総攻撃シリーズ〉3部作の関西ロケがスター
ト。制作第71話「怪人アブゴメス六甲山大ついせき」の神戸ロケが行なわ
れる。。
1972年7月13日、MBS千里放送センターでの制作会議。第7クール以
降の新たな敵組織ブラック編について検討。
平山亨プロデューサーが「9・10月にかけての新シリーズについて」を執
筆。石ノ森章太郎氏から提案されていた合体怪人のアイディアを採用。この
時点で新組織の名称は〈ゴースト・ショッカー〉、新幹部は〈ドグマ元帥〉だっ
た。
1972年7月16日、劇場版第2作「仮面ライダー対地獄大使」が封切られ
る。
制作第72話「吸血モスキラス対二人ライダー」と制作第73話「ダブルライ
ダー倒せ!!シオマネキング」の南紀ロケ。佐々木剛氏がゲスト出演、2号
ライダーは所謂〈新2号〉となる。マスクは新1号のマスクの流用であり、手
袋とブーツは赤く塗られた。この時点では新サイクロン号は1台しか造られ
ておらず、2号ライダーは改造サイクロン号を使用。これを以て改造サイク
ロン号は退役となった。また、南紀ロケには講談社、秋田書店以外に朝日
ソノラマ・飯塚康行カメラマンも同行して貴重なスチール多数が撮影される。
1972年7月22日、プロ野球『サンヨー・オールスターゲーム』中継のため
放映第69話「怪人ギラーコオロギせまる死のツメ」の放映日を翌週7月28
日(金)に変更。その結果、28・29日と二日連続で『仮面ライダー』がオン・
エアーされる事となった。
1972年8月、制作第74話「死の吸血鬼がんばれ!!ライダー少年隊」の
撮影。〈少年仮面ライダー隊〉が結成される。また、今回より新サイクロン号
の塗装が変更され、ライト周りが青く塗られる。
〈関西地方総攻撃シリーズ〉3部作がオン・エアーされる。
1972年8月15日のMBS社内会議で新幹部の名称が〈ドグマ元帥〉から
〈ブラック将軍〉に改訂される。この会議で事実上、ゲルショッカー編の制作
方針が決定となった。
1972年8月31日、塚田正煕氏による制作第78話「恐怖ウニドグマ+ゆう
れい怪人」と制作第79話「地獄大使!!恐怖の正体?」のクランク・イン。
浜松ロケが行なわれ、地獄大使が最期を迎える。ショッカー壊滅。〈ゲルシ
ョッカー〉第1の怪人ガニコウモルが登場。

   画像1

画像1)劇場版第2作でデビューした新サイクロン号。講談社・大島カメラマ
ンによる特写スチール。

   画像2

画像2)劇場版第2作での新1号。演じるは勿論、中屋敷鉄也氏。講談社・
大島カメラマンによる特写スチール。

   画像3

画像3)は南紀ロケで帰還した一文字隼人=佐々木剛氏。朝日ソノラマ・
飯塚カメラマンによる本編スチール。

   画像4

画像4)意外と少ないゲルショッカー戦闘員の単体スチール。講談社・大島
カメラマンによる制作第82話の特写。


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