06.10.28 R352福島・新潟県境を越え秋の奥只見へ。




2006年の梅雨時、7月に奥只見を目指し何も知らずにR352で福島・新潟県境を越えていこうとしたものの
道は通行止め。土砂降りの中大きな迂回を余儀なくされ漸く辿り着いた奥只見。

もう今年はR352の開通はないのかと思っていたところネット上で調べてみるとどうやら現在通行可能な様子。

いろいろと調べてみると毎年7月頃まで冬季閉鎖。そして11月半ばには再び冬季閉鎖、
開通期間でも大雨や土砂崩れなどによる通行止め。
実質1年のうち4ヶ月にも満たない開通期間。いったいどんな道なのでしょうか?
そしてこれだけ長い閉鎖の理由は?


R352は栃木県上三川(かみのかわ)から新潟県柏崎までを結ぶ国道ですがその理由を探るべく
今回は福島・新潟県境を通り奥只見・奥只見(銀山)湖への道を走ってきました。

奥只見湖は現時点では日本最大の人造湖。つい先日試験注水が開始された岐阜県に建設中の徳山ダムが完成すると第2位となるようです。

しかも奥只見は紅葉の見頃の時期。
今行っておかないでいついくの?

R294〜R408〜R4そしてR400で塩原温泉を抜けてまずは道の駅たじまを目指します。

塩原温泉を過ぎR121と合流する部分を過ぎるとR121、R352、R400と3つの国道が重複する区間となり
おにぎりが3つ並んだ珍しい標識もみられますよ。


福島県に入り道の駅たじま付近。




たじまを過ぎ道が突き当たるとR352は左へ。

中山トンネル手前付近。



山全体が色付いてますね。

旧舘岩村付近では。



道端にコスモスが咲いていたり。

そして会津高原高畑付近では道端も。


このあたりは桧枝岐川沿いを走りスノーシェッドの連続する区間。

そして桧枝岐温泉を過ぎると道は急に狭くなり
七入PAを過ぎれば勾配も一気に上げていくとこの景色。




標高1400mも近くなる場所では既に紅葉は終わり冬はもうすぐそこ。

そして尾瀬への福島県側の入口御池PAを通過し更に登ったこのあたりが
R352の標高最高地点。



特に峠の名前はついていないようですが標高は1418m。

ここから道は降り始め



標高を500mほど一気に降ると道は平坦に。



ここからもう2kmほど走れば新潟県の県境となります。

金泉橋という只見川に掛かる小さな橋が福島・新潟県境となっています。


橋の上からの眺め。左が上流・右が下流を写したもの。




ここから只見川沿いに進むと尾瀬口の遊覧船乗り場があり
いよいよ奥只見湖との対面です。



山が燃えております。

ここでちょっと地図をご覧下さい。

地図を参考にしながらここからは説明していきますので。

奥只見湖畔をへばりつくように道が走っていて一瞬ですが遠くに奥只見ダムの堤体を見ることも出来ます。

恋ノ岐川が注ぎ込む渓谷沿い。
道はかなりの高さの断崖を走ってます。


突き当たり大きく弧を描き対岸の川沿いを登っていきます。



雨池橋が架かる奥まった部分から見ると。



湖畔まで道は降りていくようです。

同じ場所から、



西の城。紅葉と雪渓。
雪が融けることなくまた新しい雪が降り積もるのですね。

上の写真で見えている場所付近まで降りてきました。



先ほど撮影した場所を見上げて。



かなりの高さです。

湖畔沿いの道をひたすら走り



とにかくあたり一面紅葉。

更に進んで



ナビをみてみると奥只見湖を挟んでこの山の下をシルバーラインが通っている模様。

銀山平も近くなると道は漸く2車線に。

先を急ぐ人たちはここからシルバーライン経由で小出方面へと向かいますが
私はそのまま直進。R352で小出方面へと。

銀山平を過ぎると道は再び狭くなり稜線を走りながら枝折(しおり)峠へと登っていきます。



ここまできてなんとなくわかっていましたが
確信しました。
何故この道が1年のうち1/3の期間しか走ることができないかということを。

標高800m〜1400m付近を走り場所によっては断崖、更には稜線上。
新潟・福島県境には一切迂回路は存在せず、重機を入れ掻いた雪を運び出す。
これだけでも大変な作業の上
道幅は1〜1.5車線程。大型のダンプを入れて次から次へと運び出すことは不可能です。
大型車両が離合出来るほどの場所は存在しません。

ご紹介した写真を見ていただいてもわかるように未だに作シーズンの雪が残っているほどの豪雪地帯。
だから夏から秋のほんの一時しか走れないということを。

そして枝折峠(標高1050m)に到着。

奥只見方面を振り返って。



あの山を越えてきたのです。

そして



これから向かう小出方面。

また凄い勢いで道が降っております。

峠を後にして道を降っていくと案の定厳しい勾配で
更にはスラロームのように小刻みなカーブの連続。

栃尾温泉が近くなると再び道は2車線となりここでR352の難所区間は終わりです。

温泉を過ぎると奥只見シルバーラインの入口です。




以前にもシルバーラインはご紹介しているので細かい説明は抜きにして



シルバーライン名物トンネル内←。

明神トンネル内部。



出ました!素掘り!


遠くに見える←の先は、


出口ではなく。。。



銀山平への出口。
T字路になっていて点滅信号になっております。


そしてこちらが銀山平の出口方面。



ここから更に進むと。



あぁ!もう素掘り全開。。。

そしてトンネルを抜けるとそこには。



奥只見ダムがあります。

前回は残雪があったダム直下も美しい紅葉。



奥只見湖から尾瀬方面を。



頭が雲に隠れている山の中腹を走ってきたR352が通ってます。

やっぱ凄いところ走ってますね。

奥只見ダムの景色を満喫し、ここから再びシルバーラインを小出方面へ向かい
自動車道のトンネルとしては最長の関越トンネルを潜り抜け家路へと。

それにしても奥只見は秘境と呼ばれるだけのことは十分にあります。

シルバーラインを抜けて奥只見ダムへ来るだけでもなかなかのものですが
それは秘境奥只見のほんの一端をみることが出来るだけかもしれません。

奥只見湖沿いの険しい道を走るR352を走らずして秘境をみたとはいえないでしょう。
更に山の奥深く分け入る登山家の方々にはもっと素晴らしい景色がみられることとは思いますけど。

おそらく私が訪れたこの時期が最もR352の通行料が多い時期と思われ、
紅葉の時期でなければ絶対にこんな狭い国道には入ってこないであろうというドライバーも多くいます。

私も対向車に道の真ん中を突っ込んでこられた挙句、相手方に離合しようという意欲は全く感じられず
というよりはどうしたらよいかわからないという顔をされ。。。
クネクネ道を百メートル近くバックさせられる羽目になりました。

素晴らしい道ですが運転に自信の無い方、自分の車の車幅感覚が掴めない方はR352を走ることはおすすめしません。

ただし。。。



こういう工事車両に出会ってしまったら運が悪かったと思ってあきらめましょう。
災害復旧で工事をやってますので。

泣きそうな顔でバックする方をたくさんみました。

だからこそ
これほどの険しい道、下界とは隔離された天空を走るR352の素晴らしさはまた格別なものです。


本日の徘徊距離592km。






Drive めにゅ〜へ。