と、ある日のサイドカーでの買い物帰り。

幹線道路から左折して路地に。目の前には横断歩道。当然ながらの一旦停止。歩行者の姿が無いけど「一応はね」ってんでリアブレーキをちょいと踏んで停まって。と通常の流れのはずだったのに。

ちなみに前輪(フロント)ブレーキはハンドル右側のレバー、後輪(リア)ブレーキは右足フットペダル、ね。で、僕のサイドカー君はリアブレーキと側車ブレーキが連動してるタイプなの。

で、停まんない。あれれ? あわててフロントブレーキを「カッ」っとかけると「キュッ」って停まって。
さっきまでちゃんとブレーキ効いてた筈なんだけど、実はあんま記憶が無い。なんせブレーキは効くのがあたりまえって思って運転してるから。なにより散々乗り回しての帰り道だったから、おかしけりゃいくらなんでも途中で気づくよな。でなきゃすでに事故ってるし。
ほいでもって細い路地、後続の車がいないのを確認して、リアブレーキ、ロック! のはずがユルユル走ってる。ううむ、効いてない。2、3度試すけどやっぱ停まんない。家に帰るつもりだったけど、急遽ナイスなバイク屋さんへ直行。
閉店間近だったけど、いつもの彼、リアブレーキを覗いて。
「リアブレーキパッド無くなってるっすよ」「ありゃりゃ、側車のブレーキフィールドも空っぽ」
時間も時間だったから明日改めて出直す事にして、ひとまず退散。

珍しく早起きしてサイドカー君をバイク屋さんに預け、夕刻引き取りに行ってみると。
「リアブレーキは完了です。が」「が?」「側車側のブレーキが」
ちなみに側車側のブレーキは軽四輪の部品を流用したドラムブレーキ。一度もパッドは換えた事は無かったんで、パッドが無くなっちゃったのかと思ったら。
「壊れちゃってます」「んにゃ?」
ブレーキパッドの剥離とシリンダーからのフィールド漏れ。
パッドは二つのうちの一つがブリッジ(?)から剥がれちゃってホイールの中で遊んじゃってた状態。
シリンダーはゴムパッキンに傷がついて、そこからフィールドがだだ漏れ状態。
結局部品交換な訳なんだけど、いかんせんバイク屋さん、四輪についてはそんなに詳しくはない。で、どのみち壊れちゃってるんで、ブレーキライン以外はとっぱらっちゃって部品屋さんに渡し、現物合わせをすることに決定。勿論その間はバイクの前後輪のブレーキだけ。

ところで側車側のブレーキ、装着義務はなくって、メーカーによってはオプションだったりもする。もちろん装着を前提にしたメーカーもある。まああっても無くてもちゃんと停まればイイ訳であって。
また側車側ブレーキの効き方にも色々あって、バイク側よりユルい方がよろしいって言う意見もあれば、「いやいやガツンと効かないとアカン」って言う方もいらっしゃる。理想はブレーキをかけた時、車体が真直ぐに停まる事なんだけど、四輪と違い3つのタイヤの径が全部違う(同じのもあるよ)んで、機械的な調整はすんごく難しそう。それにスピードや路面、その他もろもろの条件によっても左右されるし。
想像してみるに、側車側ブレーキが無いとブレーキかけた時、理屈上ではバイク側にハンドルがとられちゃう。僕ンちのは左側サイドカーだから右にふられちゃう訳で。そこでリアブレーキと側車側ブレーキを連動させると、二つのバランス加減でどっちにでもふらせる事が出来ちゃうと。だもんでフロントをかけるとバイク側、リア(+側車)をかけると側車側ってえのが、レーン変更やカーブを曲がる時なんか、この特性を活かしてカッコよくキビキビとした、いわゆる『サイドカーらしい』運転が楽しめるって事になる訳で〜。でも効き方の度合いは運転する人の好みになってきちゃう訳で。う〜む。
ちなみに僕の好みは「即車側ガッツン」。「なんで?」と言われてもすごく困るけど、あえて答えれば「何となく」。う〜む、答えになってないか。

※このへんのことは毎度お世話になってるここ
 側車側ブレーキの有用性について勉強になるの。


ま、何にせよ、しばらくの間の側車側ブレーキレス。近所への買い物とか、その辺ぐるぐるとか。目一杯飛ばしても80km/hくらい。いや、もちろんパニックブレーキするよーな機会には遭遇しません。だから側車側ブレーキレスだなんて、殆ど意識せず。でもってブイブイいわせて2週間ほど。やぁっと来ましたパーツ君。早速ナイスなバイク屋さんの登場でい!


パッドが剥がれちゃったブレーキ(左上)と新品のブレーキ(右ふたつ、ね)。

フィールドがだだ漏れしたシリンダーを新品に交換すの図。
ボディのキズは見て見ないフリ。

ブレーキ、動いた。の図。ひ〜らいて〜、と〜じて〜。

「側車側ガッツン」ってなるように調整してくれてる、ナイス君のイカした手。

作業完了!
で、感想はてぇと「おお、停まる」。
あたりまえだっての。

次回のネタ、たぶんサイドブレーキだと思う。ブレーキついでに、ね。

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