リモートサポートソフトウェア

WindowsXPにはリモートデスクトップという機能があって、ネットワーク接続された他のWindowsパソコンから直接操作しているように操作ができます。

しかし、これができるのは、操作対象が、サーバー機能を持つWindowsXP Professional Editionの場合に限られ、サーバ機能を持たないHome Editionでは捜査対象にはなりません。

しかし、VNC(Virtual Network Computing)と呼ばれるリモートサポートソフトを利用すればHome Editionのパソコンでもリモートでの操作対象となることができます。

データポートの確保

通常、ブロードバンドルータやOS、ウイルス対策ソフトなどには、外部からの攻撃(不正アクセス)を防ぐために、ファイアウォールというセキュリティが設定されています。

しかし、リモートサポートを行う場合、そのファイアウォールによって外部との交信が遮断されてしまい、リモートでのサポートが行なえなくなってしまいます。

それを防ぐためには、ファイアウォールに、外部からアクセスできるようなデータの通り道、データポートを確保する必要があります。

データポートの確保の方法は、ブロードバンドルータやOS、ウイルス対策ソフトなどによって様々で、しかもその手順は結構煩雑です。

VNC(Virtual Network Computing)と呼ばれる伝統的なリモートサポートソフトの中には、このタイプのソフトウェアが多くあります。

以下は、それらソフトウェアの例です。

UltraVNC

入手先:UltraVNC 日本語インストール版のダウンロード :Vector ソフトを探す!
概要:
操作感は他のVNCよりも多少高速に利用できる。
RealVNCなどの他のVNCと互換性を持ち、Windowsだけでなく、MacやLinuxにインストールされている他のVNCサーバーとの通信・遠隔操作が可能。
ライセンス:無料
インストール:必要
対応OS:Windows 98/Me/2000/XP/2003/Vista/7
提供元:UltraVNC

RealVNC日本語インストール版

入手先:Vector RealVNC日本語インストール版
概要:
RealVNC社作成のRealVNCに漢字キーの操作を対応させ、さらにリソースを日本語化したもの。
ライセンス:無料
インストール:必要
対応OS:Windows 98/Me/2000/XP/2003/Vista/7
提供元:Real VNC UnderDone

TrueRemote

入手先:窓の杜 - TrueRemote
概要:
インストール不要で簡単にリモートデスクトップを実現するソフトウェア。
サーバー側、クライアント側にそれぞれダウンロードし、操作されたい側を先にサーバーとして起動。操作したい側を後からクライアントとして起動するとウィンドウ内にデスクトップが表示され、遠隔操作が可能になる。
マルチモニター、マルチコーデックに対応し、画質、表示サイズの調整やファイルの送信機能も備えている。
ライセンス:無料
インストール:不要
対応OS:Windows 2000/XP/2003/Vista/7/2008(32/64bit)
提供元:IchiGeki 氏

データポートの確保が不要なソフトウェア

前述のように、リモートでパソコン同士を接続して画面の共有を行なうには、データをやりとりするための「データポートの確保」のための作業(ポートの開放作業)が不可欠です。

しかしこの作業では、ブロードバンドルータやOSのファイヤウォールの設定を変更したり、ウィルスソフトの設定を変更したりしなければならず、かなり煩雑な作業になります。

さらに、適切に設定しないと、外部からの不正アクセスの脅威に晒されてしまうことにもなりかねません。

リモートサポートソフトウェアの中には、「データポートの確保のための作業(ポートの開放作業)」をソフトウェアの方で自動的に行なってくれるものもありますので、こちらのソフトウェアを利用した方がより安全にサポートが行なえると思います。

このタイプのソフトウェアには、サポートを受ける側とサポートを行なう側とにそれぞれソフトウェアをインストールする必要があるもの、インストールする必要がないものとがあります。

以下に、それらのソフトウェアの概要をご紹介していきます。

ソフトウェアのインストールが必要なもの

CrossLoop Free
入手先:CrossLoop クロスループ
概要:
遠隔地にあるパソコンのデスクトップを表示したり、操作したりできるようにしてくれるUltraVNCベースのリモート操作ソフト。
「CrossLoop」では、リモート操作を行う方を「アクセス側」、アクセスを受け入れる方を「共有側」と呼び、操作画面で「アクセス」「共有」の各タブ画面を切り替えることで、役割を選べるようになっている。
共有側は、「共有」画面に表示された自分のアクセスコードをアクセス側の相手に教え、「接続」ボタンをクリックして待機する。アクセス側は自分の「CrossLoop」の「アクセス」画面に、教えてもらったコードを入力して「接続」ボタンをクリックする。これで共有側のデスクトップにアクセス要求のダイアログが表示される。承認するとアクセス側のディスプレイに共有側のデスクトップが表示され、アクセス側から共有側のパソコンを操作できるようになる。
アクセス側のビューア(共有側のデスクトップが表示されるウィンドウ)にはツールバーが用意され、フルスクリーン表示に切り替えたり、キー操作を共有側へダイレクトに送信したり、オプション設定画面を呼び出したりすることが可能(ポップアップメニューからコマンド操作も行える)。
オプションの設定画面で「Japanese keyboard」を指定しておくとIMEも操作でき、アクセス側から共有側に日本語入力を行える。
ビューアではそのほかにも、 などが可能。
ライセンス:無料
対応OS:Windows XP/Vista/7
提供元:CrossLoop, Inc.
※ファイル転送が可能な上に、複数ファイルの転送も可能な、有料版の「CrossLoop Pro」もあり

ソフトウェアのインストールが不要なもの

ShowMyPC Free

入手先:Remote Support, Desktop Sharing, Online Meetings | ShowMyPC
概要:
互いに離れた場所にある2台のパソコンで、同じソフトをダウンロードして起動するだけで、ほとんどのファイアウォールを突破するので、余計な設定は不要。
SSH経由でRealVNCを利用したリモートサポートが可能。
接続の際には、相手のIPアドレスがわからなくても、相手側のパソコンに割り当てられた画面共有のためのパスワードを伝えてもらえれば接続可能。
このパスワードは「4桁-4桁-4桁」の数字で構成され、サーバなどに保存されることはなく、使い捨てされるので、セキュリティ上安全性が高い。
接続が完了すると遠隔地のデスクトップがそのまま、操作する側のディスプレイの1ウィンドウとして表示され、通常のパソコンと同じ感覚でクリック操作やキーボード入力などが可能となる。
ウィンドウ上部にはツールボタンがあり、画面のリフレッシュ(再描画)を行えるほか、フルスクリーンへの切り替え(Ctrl+Alt+Shift+Fで元の画面)、【Ctr】/【Alt】キーを押す、「スタート」ボタンを押す、【Ctrl】+【Alt】+【Del】キーを押す(ソフトリセット)といった操作も可能。
ファイルの転送機能もあり。
ライセンス:無料
対応OS:Windows 2000/XP/2003/Vista/7/2008
提供元:ShowMyPC.com
※有料版(PRIVATE SERVER)も有り。
フリー版では、ShowMyPC.comが無料で解放しているサーバを利用するのに対し、有料版では、サーバの自主運用も可能。
ただし、フリー版のShowMyPCとは接続不可。

TeamViewer

入手先:TeamViewer - ネット経由のパソコン遠隔操作(リモートコントロール)ソフト
概要:
ネットワーク上のほかのパソコンを操作したり、ファイル転送を行ったりできるリモートデスクトップソフト。
接続相手(パートナー)との役割交代(リモート側とローカル側との切り替え)も簡単。そのため、お互いの画面を見ながらトラブルシューティングを行ったり操作方法をレクチャーするような使い方も可。
インストールすることなく、セットアップファイルを直接実行して使うこともできる。
リモート側がパートナーに「使用中のID」「パスワード」を伝え、ローカル側で入力することにより、リモート接続が確立する仕組み。
リモートコントロールウィンドウは、全画面モードに切り替えることも可能。
表示オプションでは、デスクトップの表示解像度や画質の指定、マルチモニタ環境に応じた設定などを行える。
リモートコントロールウィンドウ上部のツールバーからは、リモートコンピュータに【Ctrl】+【Alt】+【Del】を送信したり、コンピュータをロックしたりといった操作を行うことが可能。
リモートコンピュータのカメラや音声出力を視聴する機能、テキストチャット機能、リモートデスクトップのスクリーンショット作成機能、リモートコントロールセッション(操作の様子)を動画として記録・再生できるレコード機能なども利用できる。
ファイル転送ウィンドウは、一般的なFTPクライアントソフトによく見られるレイアウトで、ローカル/リモートのフォルダツリーが左右に並び、ファイル操作を行える。
「ファイルボックス」機能もあり、ファイルボックスを起動すると、ローカル/リモート双方のデスクトップに小さなウィンドウ(ウィジェット)が表示され、ドラッグ&ドロップなどでファイルを登録することが可能。登録されたファイルには双方からアクセスできるようになる。
「TeamViewer」には、フルスペックの「オールインワン」のほか、リモート側としての利用に機能が絞られた「TeamViewer QuickSupport」などのバリエーションがある。
Mac版、Linux版、さらにはAndroid用アプリやiPhone/iPad用アプリなどもあり、モバイル機器からパソコンを遠隔操作することも可能。
ライセンス:個人利用(非商用利用)に限り無料
対応OS:Windows XP/Vista/7, Mac, Linux, iPhone
提供元:TeamViewer GmbH