超深海底帯底生魚02

この深度は冥深帯とも呼ばれ英語のhadal(超深海)はギリシャ神話で地下冥界を司るHadasにちなんでいます。深海生物といってもウラシマなんとかやリュウグウなんとか、オトヒメなんとかと呼ばれているうちはまだロマンチックですがヨミノアシロとなると「黄泉」、つまりもう「あの世」の話なのです。さすがにこの深さになると魚類は極めて少数になり生態もほとんど不明状態です。ヨミノアシロは大人の指ほどの小さい魚ですが二万五千種といわれる魚類全体の中で八千三百七十Mは最深度の棲息記録保持者です。眼は皮膚の下に埋もれていて痕跡的とのこと、無論この深さでは必要ないでしょう。人との関わりを一切絶ち、静かにひっそりと暮らしています。そしてヨミノアシロと最深記録の一、二を争うのがピンクおたまじゃくし、シンカイクサウオです。カサゴ目クサウオ科に属し日本海溝の七千Mを越える深さから見つかっています。
1.シンカイクサウオ
 Pseudoliparis amblystomopsis
 20p

2.ヨミノアシロ
 Abyssobrotula galatheae
 11p