下部漸深底帯底生魚10

ひと口にゲンゲといっても種類が多く、獲れたはいいけど正体不明な標本も結構あるらしいですね。深海魚の進化を探るためにも貴重な魚だそうで日々調査、分類が続けられているとのこと。もっぱら寒冷地を好むゲンゲですがリュウキュウヘビゲンゲのように沖縄舟状海盆から新種として記録された仲間もいます。この種は頭が黒っぽくてウロコなし、胴体は灰色でウロコあり。一般にゲンゲ類は比較的視覚が発達していますがエサを探す時はもっぱら触覚孔などを利用しているようです。ついでにカワリヘビゲンゲのホロタイプ(holotype)は福島県沖産。さて彼らの上を横切るお茶目なピンクはムネインキウオ。日本近海では網走沖のオホーツク海で記録されています。クサウオ科インキウオ属も先のゲンゲ科に負けず劣らずの大グループで全世界に分布しています。クサウオ科に属する他のカンテンウオ属やコンニャクウオ属という名前からも想像できるとおり体はプヨプヨしています。
1.ムネインキウオ
 Paraliparis pectoralis
 22p

2.リュウキュウヘビゲンゲ
 Lycenchelys ryukyuensis
 17p

3.ウスギヌゲンゲ
 Taranetzella lyoderma
 14p

4.カワリヘビゲンゲ
 Lycenchelys remissaria
 21p