移行帯底生魚17

コオリカジカは氷鰍と書くように北方の冷たい海が好きな魚です。カサゴ目カジカ亜目カジカ科は三百種くらいが知られています。眼の後に二対、前に一対トゲがあります。顔の周りに側線感覚器官というのを発達させていて情報をキャッチするための敏感肌になっているのです。さてハゼは深海ではあまり馴染みがありませんね。所属はスズキ目ハゼ科ヤミハゼ属。ハゼ亜目二千種以上いる中でこのヤミハゼは深海に適応したかなりの変わり者です。でも姿かたちはどこから見ても普通のハゼですけどね。残りの二匹はどちらもアンコウ目アカグツ科。イガフウリュウウオは吻がとがり3〜8本の棘状突起が和名の由来になっています。鍛えた腹びれを踏ん張って器用に海底を歩きます。まん丸いのはユメソコグツ属。一般にアカグツ科は扁平なのにユメソコグツの仲間の多くはコロコロと丸い体をしています。大きさも数センチくらいの可愛い魚です。そんな中でワカタカユメソコグツは採取個体が極めて少ない稀少種とされています。名前は調査船若鷹丸から名付けられました。
1.コオリカジカ
 Icelus cataphractus
 20p

2.イガフウリュウウオ
 Dibranchus stellulatus
 9p

3.ヤミハゼ
 Suruga fundicola
 10p

4.ワカタカユメソコグツ
 Coelophrys bradburyae
 5.8p