上部漸深底帯底生魚05

別名サンキャクウオ、ナガヅエエソは腹びれと尾びれを上手に使って海底に立つユニークな魚です。そして胸びれをパラボラアンテナのように広げて潮の流れに向かってじっと獲物を待ちます。横着な性格が高じて生活の知恵になったのでしょう。ちっちゃな眼にアヒルのような口も憎めません。イトヒキイワシも胸びれの鰭条(きじょう)の一部がやたら長くてやはりアンテナのように前に広げて海底に立っています。陸に釣り上げた状態ではこんな姿勢で生活しているなんて想像もできません。生きている姿がそのまま観察できる深海探査技術の発展がこういった事実を我々人類に教えてくれます。ちなみにこれら二種はチョウチンハダカ科というグループに分類されています。実際のチョウチンハダカ(Ipnops agassizii)は別のユニークさを持っているんですけどね。
1.イトヒキイワシ
 Bathypterois atricolor
 15p

2.ナガヅエエソ
 Bathypterois guentheri
 26p