上部漸深底帯底生魚09

ナメクジではありません。ミスジオクメウオはソコオクメウオ科の仲間で世界では二十種あまりが知られています。暗闇には必要ないぜ、と眼は皮膚の下に埋没させ(無い訳ではないようです)、ウロコのないぷにゅぷにゅした半透明の体、無防備極まりない気がするのですが天敵はいないのでしょうか。ソコグツはアカグツ科の中でもより深海底に適応した種類で千五百Mあたりまで棲息しています。「ソコ」と付いているので深み好きは間違いなくここに紹介したソコカジカも例外ではありません。カジカといえば太公望にも人気の食用魚で磯っぺりから深海まで約三百種が世界中幅広く分布しています(ここに紹介したカジカの仲間は七百M以深なので釣れませんが)。一般にカジカ類はウキブクロがなく顔の側線感覚器官がよく発達しているので海底にいても上からの情報を敏感にキャッチできると考えられています。ウケクチコオリカジカとクロコオリカジカは体の特徴から名付けられ、ともにオホーツク海方面の冷たい海の底でじっと獲物を待っています。
1.ミスジオクメウオ
 Barathronus maculatus
 18p

2.ソコグツ
 Dibranchus joponicus
 15p

3.ウケクチコオリカジカ
 Icelus mandibularis
 18.8p

4.クロコオリカジカ
 Icelus canaliculatus
 19.5cm

5.ソコカジカ
 Zesticelus bathybius
 5p