深海層遊泳魚03

シギウナギ科の仲間、クロシギウナギは本家のシギウナギに比べやや小ぶりですがひと目でわかる鴫(シギ)のような細く反り返った口は特徴的です。違いは側線の並び方にあります。シギウナギはサイコロの五の目を並べたような配列ですがクロシギウナギは普通に一列に並んでいます。モトノコバウナギも長いクチバシを持っていますが顔立ちはよく見るとシギウナギとは少し違いますね。側線もはっきりしないそうです。ここには登場しませんが兄弟のヒメノコバウナギとは背びれと尻びれの始まる位置関係で区別できるようです。次のソコノコギリイワシはセキトリイワシ科に属しサンマのような体型です。英名ではFangtooth smooth-head、と牙が強調されていますがノコバウナギとは違って主上顎骨(しゅじょうがくこつ)という上唇に相当するところがギザギザしています。最後にチヒロカブトウオ、いわずと知れたゴツゴツ顔のカブトウオ科の一員で眼は小さめです。チヒロと名の付く海の生物は深海の中でもさらに深い場所に棲息していることが多いようです。チヒロカスベ、ソコチヒロエビ、チヒロウミユリ、チヒロダコとかね。チヒロカブトウオは漢字で千尋兜魚。一尋(ひとひろ)は大人が両腕を広げた長さでおよそ百五十p、千尋(ちひろ)だと千五百Mくらいになりますがこのカブトウオはダントツに深く、五千M以上の深さからの記録があります。
1.クロシギウナギ
 Avocettina infans
 75p

2.モトノコバウナギ
 Serrivomer sector
 57p

3.ソコノコギリイワシ
 Bathyprion danae
 38p

4.チヒロカブトウオ
 Poromitra oscitans
 8p