深海層遊泳魚04

あまり大きくはありません。でも小魚と言うにはどれも存在感がありますね。インドオニアンコウは三十種近く知られているオニアンコウ属の仲間で小さなオスをお腹にぶら下げています。真性寄生型といってオスはメスの組織と完全に結合します。チョウチン(擬似状体)は短めで、たいまつがメラメラと燃えているようです。隣で口を垂直にがばっと広げているのはペリカンアンコウモドキ。この仲間もオスがメスに寄生しますが繁殖期を過ぎると離れてしまう一次付着型に属します。メスとは一体化しないんですね。歯は下顎の方が発達しています。背中が盛り上がっている姿からかつてはセムシクロアンコウと命名されていましたが、差別的標準和名ということで一旦クロアンコウに、その後今の名前になりました。チョウチンは球状でつるんとしています。さて銀色に輝くのはナガムネエソ、飛び出た黄色い目玉が何とも強烈な印象です。テンガンムネエソ属の特徴である背びれ手前、薄板状の背刀(はいとう)は低めです。お腹の発光器は十二個、その上に六個が整然と並んでいます。
1.インドオニアンコウ
 Linophryne indica
 5p

2.ペリカンアンコウモドキ
 Melanocetus murrayi
 8.5p

3.ナガムネエソ
 Argyropelecus affinis
 8.4p