中深層遊泳魚03

もっと見たい、もっと見たいという欲望がそうさせたのでしょうか。デメニギスは背中を向く飛び出た大きな眼に圧倒されます。水深四百〜六百Mといえばかすかに光が感じられる深さ、上を泳ぐ獲物のシルエットに視神経を集中しているのでしょう、両目で見ているということは遠近感も捉えているのかもしれません。獲物が前方にいるときは眼も角度を変えるそうです。可動式なんですね。二〇〇九年二月、科学誌ナショナルジオグラフィックにデメニギスの水中映像が公開されました。それによるとどうやら頭部は半透明のフードのような膜で覆われているらしく改めてその不思議な姿が明らかになりました。そしてこのオチョボ口、たぶんプランクトン食なのでしょう。キュウリウオ目デメニギス科で約十種が知られています。ホソメコンニャクイワシは○○コンニャクイワシと呼ばれる種類の中では比較的小さい眼の持ち主です。一方同じセキトリイワシ科でもツブイワシの方は眼が大きくウロコを持たず全身に顆粒状の発光器を持つ、といった特徴があります。
1.デメニギス
 Macropinna microstoma
 12p

2.ホソメコンニャクイワシ
 Alepocephalus bicolor
 24p

3.ツブイワシ
 Xenodermichthys nodulosus
 20p












可動式