中深層遊泳魚09

この仲間(ワニトカゲギス目)が一番深海魚らしいと思うのですがどうでしょうか。黒っぽい体、するどい牙、お腹に並ぶ発光器の列、そしてアゴヒゲ、このヒゲ先端の形が種を同定するときに役立つポイントの一つです。同定するためには便利ですが機能的にはどうなんでしょうか、飾りとも思えませんし。ワニトカゲギスとヨロイホシエソは先端の球状体に三〜四本の糸がついていますがホソワニトカゲギスのそれには多数の糸がついています(だからそれがどうなの?)。三種とも体全体が六角形の模様で覆われており(鱗状紋といいます)頑丈そうな印象を与えます。ところで深海魚はその四分の三が発光すると言われておりワニトカゲギスやハダカイワシの仲間は自力発光型として比較的ポピュラーな機能を持っています。発光細胞に発光物質(ルシフェリン)が蓄えられ酵素(ルシフェラーゼ)によって酸化分解され、そのとき出る分解エネルギーが光となるのです。他の方法としては発光器に発光バクテリアを共生させる種類がいます。チョウチンアンコウやヒカリキンメダイなどがそうです。
1.ホソワニトカゲギス
 Macrostomias pacificus
 34p

2.ヨロイホシエソ
 Stomias nebulosus
 18p

3.ワニトカゲギス
 Stomias affinis
 20cm