中深層遊泳魚15

ミツマタヤリウオ科に属します。ここに描いた二種はいずれもメスです。オスは5pほどしかなくヒゲや腹びれがありません、みじめ(?)な存在です。ワニトカゲギス目の中ではひょろ長くて大型の部類でしょう。鋭い歯は内側に倒すことができ一度捕まえた獲物は絶対逃さないという執念が感じられます。そして何といっても面白いのは子供のときの姿です。眼が左右に異様に長く伸び目玉はその先端にあります。とても親子とは思えません。この頃は浅い所で生活するので浮力を得るには好都合なのでしょう。ヤジロベエのようにバランスをとって漂っているのではないでしょうか。昔はミツマタヤリウオの稚魚とはわからず別属のスチロフタルムス属という種類に分類されていたそうです。このように子と親で似ても似つかぬというのは魚の世界では意外と多く研究者泣かせの一つになっています。
1.ミツマタヤリウオ
 Idiacanthus antrostomus
 50p(Lv.1.3p)

2.ナンヨウミツマタヤリウオ
 Idiacanthus fasciola
 27p