中深層遊泳魚27

魚類の中で最も長い和名を持つ魚の一つがこのミツクリエナガチョウチンアンコウです。それはさておきチョウチンアンコウ類は深海魚の代表格といっていいでしょう。アンコウ目はいわゆる鍋物や肝の美味しいアンコウが属すアンコウ亜目とオコゼなんかが属すカエルアンコウ亜目とチョウチンアンコウを含むアカグツ亜目に分かれます。チョウチンアンコウ類の特徴その一、エサをおびき寄せる提灯です。長い竿(誘引突起、イリシウムといいます)の先に肉の塊り(擬餌状体、エスカといいます)を持ちこれを発光させてエサ生物をおびき寄せます。チョウチンアンコウはエスカに二本の短い突起と約十本の紐(フィラメント)がありこれらの先端から青白く光る発光液を噴出させることでエサの群れを演出しています。特徴その二、オスの寄生です。大きなメスに対しオスは数センチしかなく(矮雄、わいゆうといいます)大きな眼と鋭い嗅覚でメスを探し執念でかぶりつきます。その後はメスの体と一体化し血管までつながって養分をもらいながら精巣を発達させ子孫繁栄のみに専念します。一婦多夫は普通です。ただしこのイラストの中ではミツクリエナガチョウチンアンコウとビワアンコウには寄生オスが確認されているのですが代表選手のチョウチンアンコウでは見つかっていません。また子供の頃は半透明の膜でボール状にふくらみ大きく見せることで食べられる危険を少なくしています。生き延びるための自然界の工夫は想像を絶します。
1.ミツクリエナガチョウチンアンコウ
 Cryptopsaras couesii
 30p

2.ビワアンコウ
 Ceratias holboelli
 120p(Lv.1.3p)

3.チョウチンアンコウ
 Himantolophus groenlandicus
 30p