中深層遊泳魚30

とぼけた顔をしています。何が不満なのか口をへの字に結んでふてくされているようです。実際、口は長く突出させることができるので泳ぎが遅い分すばやく口を伸ばしてエサを捕まえ飲み込むことができます。マトウダイ科は十三種ほどが知られ大きな目と左右につぶした平べったい体が特徴です。ソコマトウダイは小型でカマボコに利用されています。カガミダイは鏡のような銀白に反射する体が特徴で食用として有名なマトウダイに姿も似ていますが体に黒色斑がありません(子供の時代には二十個ほどの斑紋があります)。棲息域もマトウダイの方が百M前後と浅めです。ところで魚と直接関係ありませんがイラストの背景に描いている白っぽい浮遊物はマリンスノーでプランクトンの死骸や魚の糞などから成る懸濁物です。名付け親は日本人で世界共通単語として通用しています。海底に届く有機物は水面で生産される千分の一しかありませんが貴重な栄養源を深い所に運ぶ重要な役目を果たしています。
1.ソコマトウダイ
 Zenion japonicum
 10p

2.カガミダイ
 Zenopsis nebulosa
 50p