中深層遊泳魚33

順番に見ていきましょう。全てスズキ目の魚たちです。ウラシマチョウチョウウオはどう見ても場違いな気がします。サンゴ礁が似合うチョウチョウウオの中では異端児です。数個体しか採取されていない珍しい種類でタスキをかけたような黒帯と真っ黒な腹びれが特徴です。三百M付近の深さに棲息しています。オニボウズギスとクロボウズギスは共にクロボウズギス科に属し約十五種が世界で知られています。オニボウズギスの胃袋は柔軟で大きく自分より大きな獲物を丸呑みする特技を持っています。エサの乏しい深海で今度いつ出会えるかわからないがための生存の知恵なのでしょう。魚やイカなどを鋭い歯で捕食します(お腹に食べた魚の目が透けています)。クロボウズギスは胸びれが長く尻びれの周囲に黒点状の発光組織を有するところがオニボウズギスと異なる特徴です。ムカシクロタチ科はこれ一種だけでこれも長い胸びれを持ち、不揃いな大きさのウロコ、そして背中の際を走る側線が特徴です。六百〜八百Mに棲息しています。
1.ウラシマチョウチョウウオ
 Chaetodon guyotensis
 15p

2.オニボウズギス
 Chiasmodon niger
 25p

3.クロボウズギス
 Pseudoscopelus sagamianus
 14.5p

4.ムカシクロタチ
 Scombrolabrax heterolepis
 30p