中深層遊泳魚35

この中でよく知られているのはタチウオでしょう。タチウオ科(三十二種)に属し帯のようにひょろ長い姿をしています。ナガユメタチモドキとヒレナガユメタチの口先は尖りこう見えて結構鋭い犬歯状の歯を備えています。いずれも二股に分かれる尾びれを持っていてヒレナガユメタチは背びれの一番目のスジがアンテナのように長く伸びています。さてタチウオはやっぱり塩焼きかな。「太刀魚」であって「立ち魚」ではありません。グアニン色素によって銀白色に反射する姿は美しくまさに太刀そのものです。しかし普段は群れになって頭を上に垂直姿勢で背びれを波立たせながらホバリングしているのでまんざら立ち魚でも間違いではありません。ちなみに英語名はcutlassfish(剣の魚)です。タチウオは尾びれがなくヒモ状に細くなっています。夜間海面近くまで上がってくるので一本釣りとして人気の魚です。でも夜に浮上するのは若い世代で成熟したタチウオは逆に昼間表層にいて夜間は海底付近で生活しているそうです。また体表面の銀粉は模造真珠や銀箔の材料としても利用されています。利用価値が豊富ですね(当人たちにとってはありがた迷惑な話ですが)。
1.ナガユメタチモドキ
 Assurger anzac
 230p

2.ヒレナガユメタチ
 Evoxymetopon poeyi
 200p

3.タチウオ
 Trichiurus aurigai
 135p