上部漸深層遊泳魚03

ヘラザメの仲間はメジロザメ目トラザメ科に属し自慢の長いヘラで泥の中のエサ生物を食べています。このヘラ状の鼻の下面にロレンチニ瓶という、中にゼリーが詰まった直径1oほどの小さい孔が多数開いていてエサとなる生物が動く時に発する微弱な電流や磁場を感知するので暗闇で見えなくても獲物を探し当てることができます。どちらかと言うと小型のサメで性格はおとなしいようです。五百M〜二千Mの深さを生活拠点にしているのでまず普通の人がお目にかかることはありません。体もぶよぶよと柔らかくお世辞にも筋骨隆々といった感じではありません。このヘラザメ類は分類がかなり難しいそうで同じサメに違う名前が複数付けられていたり新種が見つかったりで正確な種類数がなかなか確定しないそうです。ちなみに新種を発表するときは研究に使った一尾を代表標本に指定して以後の分類もこれを元におこなうそうです。この代表標本をホロタイプといい研究機関は永久に保存しなくてはなりません。さて研究努力の結果をお借りすればナガヘラザメよりテングヘラザメの方が鼻が長く、アラメヘラザメは東北地方を境に北に分布、ニホンヘラザメは南に分布しています。
1.ナガヘラザメ
 Apristurus macrorhynchus
 70p

2.テングヘラザメ
 Apristurus longicephalus
 60p

3.アラメヘラザメ
 Apristurus fedorovi
 70p

4.ニホンヘラザメ
 Apristurus japonicus
 60p