上部漸深層遊泳魚20

イナホツノアンコウだけがフタツザオチョウチンアンコウ科というグループに属し四種が知られています。残りの三匹はラクダアンコウ科というグループでこちらは約六十種が知られています。ラクダアンコウの仲間は頭の上に角があり、オスはメスに寄生しない種類です。ここの三種はそっくりなのですが提灯先端の形が微妙に違います。トゲラクダアンコウは先端の突起物が細長く、ユメアンコウは団子状だけど糸状のヒラヒラがたくさん生えててヒメラクダアンコウの団子状塊りにはほとんど糸状のものが見られません。この程度の違いで相手を間違えてハーフができたりはしないのでしょうか。イナホツノアンコウはピンポン玉くらいのかわいい魚で一人前の角もちゃんとあります。この角は専門的には蝶耳骨(ちょうじこつ)というそうです。これらチョウチンアンコウの仲間は見た目は言うに及ばずエサの獲り方、子孫繁栄の知恵など非常にユニークな面を数多く持っています。誰もが知っている人気の深海魚であることもうなずけます。
1.トゲラクダアンコウ
 Oneirodes thomsoni
 14p

2.ユメアンコウ
 Oneirodes bulbosus
 11p

3.ヒメラクダアンコウ
 Oneirodes eschrichtii
 20p

4.イナホツノアンコウ
 Bufoceratias thele
 7.2p