深海底帯底生魚
/生物04

イトヒキイワシの仲間でもかなり深いところで生活している種類です。胸びれ、腹びれ、尾びれを巧みに使って体を安定させています。泳いでエサを探すより体を持上げて待つ方を選んだのです。横着モンなのです。特にオオイトヒキイワシは体長より長い脚に発達させました。どうだと言わんばかりですね。おそらく海水の比重とあまり変わらないような体にしたため疲れることもないのでしょう。学名のgrallatorは「竹馬」という意味だそうです。他の二匹と違って胸びれの鰭条(きじょう)は上下に分かれておらず長さも短めです。脚も長い、手も長いじゃさすがに安定しないからでしょうかね。彼らの眼はほとんど役に立っていないようです。そんな中で一人海底に這いつくばっているのもいます。B.regisのサイズは黒板で使うチョークくらいでしょうか、ヒメソコエソの仲間です。凄いのはこんな華奢な体をしているのに五千Mもの深度差を往復するツワモノだということ。変態が始まる三pまでに上昇を始めてしばらく表層に滞在します。これは浅いところの方がエサが豊富だからです。そしてある程度育ったら再び深海に下降を始めます。大人になっても十pそこそこ、これが五qも上下するとはねぇ。体に六〜七本の縞模様があります。眼は痕跡的でウロコに覆われています。<追記>オオイトヒキイワシは土佐湾南方沖、沖縄列島周辺など日本近海でも存在が確認されました。
1.Bathypterois grallator
 オオイトヒキイワシ
 36.8p

2.Bathypterois longifilis
 ミナミイトヒキイワシ
 30p

3.Bathypterois longipes
 チョウチンハダカ科
 24.9p

4.Bathymicrops regis
 チョウチンハダカ科
 11p