超深海底帯底生魚
/生物01

浅瀬で見かけるナマコはじっとしていてあまり近づきたくない色形をしていますが深海性のナマコはここに描いたように半透明で色んな形をした種類が多く棲息しています。しかも魚が少なくなる六千Mを越える深さでは逆に普通に見られる優占種として幅を利かせています。その多くは海底の泥に堆積した有機物(デトリタス)を泥ごと舐め取って栄養源にしているのです。ゴム手袋をふくらませるとこんな感じになるでしょうか。センジュナマコはプックリした体に角がはえています。英語名がsea pigだからといって「海豚」と訳してはいけません。イルカの意味になってしまいます。名前はいずれも見た印象からきているのでしょう。センジュナマコは「千手」、エボシナマコは「烏帽子」(ただし付いているのは後ろ側です)、キャラウシナマコは二本の角から「牛」、トキンナマコはおそらく「兜巾(または頭巾と書いてトキン)」からの命名じゃないかと想像します。これは山伏がかぶる布製のずきんのことでまさに名は体を現している訳ですね。ただこれらのナマコを可愛いと感じるか気持ち悪いと感じるかは人それぞれです。
1.Scotoplanes globosa
 センジュナマコ
 10p

2.Psychropotes varipes
 エボシナマコ
 20p

3.Peniagone azorica
 キャラウシナマコ
 10p

4.Psychropotes verrucosa
 トキンナマコ
 20p