下部漸深底帯底生魚
/生物01

そばの空き缶をご覧下さい。カップ麺の容器のように水圧で縮んだ訳ではありません。このエイリアンどもがデカ過ぎるのです。理由はよく分かっていないらしいのですが深海はえてして生物の巨大化(ジャイガンティズム gigantism)を促進する魔力を持っているようです。それにしてもダイオウグソクムシがダンゴムシやフナムシと同じ等脚目の仲間だとは思えません、いや思いたくありません。海底の掃除屋(スキャベンジャー)として泥の表面の有機物をエッチラオッチラかき集めています。ここまでのサイズではなくてもオオグソクムシは底引き網でたまに混じってくるようで漁師さんはウミゴキブリと称してすぐにポイポイと海に戻しています。利用価値はなさそうですね。一方のベニオオウミグモも巨大です。節足動物門という大きなくくりで言えばダイオウグソクムシとも遠い縁戚関係にあります。所属はウミグモ網、陸上のクモはいわゆるクモ網なので似て非なる生き物です。手前に垂れ下がっている中央部が膨らんでいる部分が吻(ふん)と呼ばれる器官で先端に孔だけの口が開いています。これをイソギンチャクなどの軟らかい体に刺し込んで体液を吸っています。先端をくるんと巻いた細くて胸の方に折り曲げているのが担卵肢(たんらんし)と呼ばれる脚でオスはここに卵塊をくっつけて保護します。胴体も細く、収まりきれない消化管なんかは枝分かれして脚の方に入り込んでいるそうです。
1.Bathynomus giganteus
 ダイオウグソクムシ
 35p

2.Colossendeis colossea
 ベニオオウミグモ
 8.5p














ジャイガンティズム