下部漸深底帯底生魚
/生物07

イースター島と言えばあのモアイ像で有名な南海の孤島、その南千五百qのさらに深海二千二百Mの熱水噴出孔に彼は息をひそめていました。毛に覆われた長い腕はヒマラヤの雪男を連想させたのでしょう。イエティロブスター(Yeti lobster)と呼ばれ学名も毛むくじゃらという意味からhirsutaと名づけられました。甲羅にスマイルマークが彫刻されているのはご愛嬌です。この真っ白なエビのような生物、そういえばゴエモンコシオリエビの仲間のような気もします。勉強不足でよく分かりませんがひょっとしたら同じようにこの密集した毛にバクテリアを培養していて日々の糧にしているのかもしれません。それにしてもここまで腕を長くする必要があったのでしょうかね。ちょっと歩きづらそうです。さて岩陰にひっそりとたたずむツクシのような毛筆状の生き物はレパスというミョウガガイの一種です。動けませんがれっきとした動物で節足動物門に属すのでエビカニの仲間です。もう少し絞ると蔓脚類(まんきゃくるい)というフジツボやカメノテが兄弟になります。蔓脚(まんきゃく)という触手のような「手」を広げて漂ってくるバクテリアの集合体などをキャッチしているようです。このN.zevinaeは熱水噴出孔で初めて発見されました。蔓脚類(まんきゃくるい)は発電所の内部から深海底まで幅広く棲息しているなかなかタフな生物です。
1.Kiwa hirsuta
 キワヒルスタ
 20p

2.Neolepas zevinae
 ガラパゴスレパス
 6p