下部漸深底帯底生魚
/生物09

名前がいいですね。ムーランルージュとはフランス語で赤い風車という意味だそうです。ウミユリの仲間でれっきとした動物なのです。ナマコと同じ棘皮(きょくひ)動物門というグループに属し、仲間にはトリノアシがいます。茎の根元は海底の岩に付着していて数十センチもの体を支えています。その下でフレンチカンカンを披露しているのがウカレウシナマコ。浮かれている訳ではなく危険を回避する時に深海ナマコ達はよくこうして跳躍します。おでこから伸びた二本の触手のような突起が特徴ですね。普段は海底を泥ごと食べて中に混じっているプランクトンや沈んできた生物の死骸のかけらを栄養源にしています。最後はイソギンチャク。この姿、一目で普通のイソギンチャクとは違うことが分かります。食虫植物と同じで獲物が来たらこのガマ口を閉じて檻(おり)を作ってしまいます。まさしくハエジゴクそのものですね。世界中の千〜六千Mの深さに数種類くらいが存在しているそうです。ここに登場した生き物たちはいずれも鮮やかな赤色をしていますが無論深海では逆に保護色となって目立つことはありません。
1.Peniagone dubia
 ウカレウシナマコ
 10p

2.Proisocrinus ruberrimus
 ムーランルージュ
 65p

3.Actinoscyphia japonicus
 クラゲイソギンチャク(ハエジゴクイソギンチャク)
 7p