下部漸深底帯底生魚
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ウニ綱というのは九百種もいるそうです。その中でもこのエンマノフクロウニは大型の部類です。巨大なボタモチにつまようじが刺さった感じです。このトゲトゲが誰も寄せつけないぞという強い意志を感じます。奥のハゲナマコはコブラみたいに頭を持上げています。こういう姿勢はナマコではよく見られ、配偶子(いわゆる卵とか精子)を放出するポーズです。少しでも上の方が流れがあって拡散しやすいからなんでしょう。シルエットがイモ虫みたいなので群れているとちょっと気持ち悪いんだけどね。センジュエビの仲間はみんな深海性です。なので眼も失われています。体は平べったくてやたら細長い腕を持っています。第一から第四までの胸脚(きょうきゃく)は先端がハサミになっていることから千手海老と呼ばれたんですね。大昔、ジュラ紀後期に比較的近縁のエリオン(Eryon)という甲殻類が繁栄していました。ただしそちらは浅海性で眼を持ちアンモナイトの殻を破壊しながら中身を食べるというかなり攻撃性の高い種類だったようです。淘汰の中でおとなしくなっちゃったんですかね。 |
1.Hygrosoma hoplacantha エンマノフクロウニ(旧名ハチウニ) 20p 2.Pannychia moseleyi ハゲナマコ 30p 3.Polycheles typhlops センジュエビ 12p |
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エリオン |