移行帯底生魚
/生物01

生きた化石としてあまりにも有名です。1938年南アフリカイーストロンドン港で博物館員ラチマー女史が見つけたことが発端になりました。そのときのスケッチが魚類学者スミス教授の目にとまり世界中に衝撃をもたらしたのです。何が衝撃的かというと六千万年前に絶滅したと思われていた総鰭類(そうきるい)という化石魚が姿を変えずひっそりと生きていた事実のすごさです。ギリシャ語で空洞の骨を意味するseel-a-canth(see-la-kanths)が一般名となり学名にはラチマー女史と第一発見地の名前が付けられました。百五十〜三百Mあたりの岩場の洞窟で頭を下に漂っている姿が観察されています。エサはナンヨウキンメやリュウキュウホラアナゴ、イカなどです。背びれと尻びれを同じ側に振りながら泳ぎます。尾びれは最後尾のちっちゃなうちわ状だけでその上は第三背びれ、下は第二尻びれです。ウキブクロには脂肪が詰まり脂っぽいようです。またウロコは硬鱗と言われるエナメル質で覆われた構造になっています。さらに衝撃は続きます。1997年南アフリカから九千q離れたインドネシアスラウェシでも見つかりました。DNA鑑定の結果数百万年前に枝分かれした別種と確認され、これで一科一属二種のシーラカンスが現存していることになりました。さすが四億年前(デボン紀中期)からの生き残り、堂々としたものです。
1.Latimeria chalumnae
 シーラカンス
 200p

2.Latimeria menadoensis
 インドネシアシーラカンス
 140p













化石魚
(Lybis 後期ジュラ紀 ドイツ産)